【蝶ヶ岳】SEASON-1:パノラマ銀座3日間の旅ー1日目ー


2016年8月16日から18日の3日間。上高地から北アルプスの蝶ヶ岳常念岳大天井岳燕岳を縦走してきました。

15日の夜行バスに乗り、初日の16日は上高地から蝶ヶ岳です。


山旅のしおり

行先●パノラマ銀座と表銀座の半分

1日目:蝶ヶ岳(ちょうがたけ)

2日目:常念岳(じょうねんだけ)

3日目:大天井岳(おてんしょうだけ)、燕岳(つばくろだけ)

ルート

(1日目)上高地―蝶ヶ岳―蝶ヶ岳ヒュッテ

(2日目)蝶ヶ岳ヒュッテ―常念岳―大天荘

(3日目)大天荘―燕岳―中房温泉

日程:2016年8月15日月曜日夜~18日木曜日(2泊3日小屋泊まり+夜行バス1泊)

同行者:お一人様大歓迎

行先を決めた理由:穂高岳に登る前、穂高&槍ビュー最高という蝶ヶ岳の稜線から眺めてみたい

蝶ヶ岳について

標高2677m。百名山でも二百名山でも三百名山でも、なんでもありません。

従いまして私が山登りを始めるまで、蝶ヶ岳とは聞いたことがなくても不思議ではないと思います。

しかし、穂高岳と槍ヶ岳を眺めるなら蝶ヶ岳!

といろんなブログや登山用品店の店員さんを始め、みんな口々にそう言います。

蝶ヶ岳とは穂高岳と槍ヶ岳を見るための山であることのようです。

そういうことで、蝶ヶ岳―常念岳―大天井岳はパノラマ銀座と呼ばれているそうです。一方、槍ヶ岳―大天井岳―燕岳は表銀座と呼ばれているので、パノラマ銀座から表銀座の半分を縦走するのが今回のプラン。

Wikipediaによると、こんな景色が見えるらしい。

松本市から北アルプスを眺めると、蝶ヶ岳を見ることができます。

アクセス

蝶ヶ岳は4方向から登山道がつながっています。意外と交通面では要所なのかもしれません。

蝶ヶ岳にダイレクトに行く最も最短は、三股駐車場から5時間。しかしバスはないのでタクシーを利用するしかありません。

超メジャー観光スポットである上高地からは6時間40分。バスもバンバンあります。この上高地に、東京駅から夜行バスのさわやか信州号に乗って行くことにしました。

22:40出発。翌5:20着。料金は9600円。東京発のさわやか信州号は3列シートです。

一方、電車で行こうとすると乗り換えが2回。

新宿駅から松本駅まで特急あずさ号で7096円(IC利用)。

松本駅から新島々駅まで700円。

新島々駅から上高地までバス代1960円。

さわやか信州号。大人気で予約はすぐに埋まってしまいます。しかし天気予報が悪いことを幸いとしてか、運よく予約することができました。

帰りは中房温泉から南安タクシーのバスで穂高駅まで。

中房温泉の登山口にある温泉に入った上で14時のバスに乗りたい。そんな目論見です。

コース

1日目は緑ライン。上高地バスターミナルから蝶ヶ岳まで。蝶ヶ岳山頂の近くにある蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊します。

2日目は黄色ライン。蝶ヶ岳ヒュッテから常念岳を経て大天荘(だいてんそう)まで。コースタイムが長く、今回一番不安だった行程。したがって少しでも早く出発したいので朝食は取りません。大天荘から大天井岳山頂までのコースタイムは10分。大天荘で受付後でもいいし、翌朝でも良いかなって考えています。何しろ無事に大天荘まで到着することが最優先。

3日目はオレンジライン。ここから表銀座を燕岳方向に進みます。最終日は食事の評判の良い大天荘で朝食を食べから出発。表銀座の稜線を歩き燕岳(つばくろだけ)まで。その後、燕山荘まで戻り、合戦尾根を下ります。中房温泉の登山口に温泉があるので入りたい。ただしバスの時間があるので急がないといけません。

【行動予定】

1日目●06:00 上高地バスターミナル – 07:00 明神分岐 – 08:00 徳沢 08:30 – 12:10 長塀山 – 12:55 妖精ノ池 – 13:10 蝶ヶ岳

2日目●05:00 蝶ヶ岳 – 05:30 2624m地点 – 05:55 蝶槍 – 07:05 2591m地点 – 08:05 2498m地点 – 09:20 常念岳山頂 – 09:25 常念岳 – 10:15 常念乗越 – 12:15 東天井岳 – 13:45 大天荘

3日目●06:00 大天荘 – 06:10 大天井岳 06:20 – 06:30 大天荘 – 06:50 喜作レリーフ – 08:50 大下りノ頭 – 10:10 燕山荘 – 10:40 燕岳 10:50 – 11:15 燕山荘 11:35 – 12:25 合戦小屋 12:35 – 13:35 第二ベンチ – 14:35 燕岳登山口

3日目最後の燕岳登山口は中房温泉。あれ? 温泉どころかバス行っちゃってる。そんな時は無理せず15:55発に乗れば良いじゃないか。


北アルプス縦走1日目

ワクワク登山口まで

バスに乗って寝て起きたら上高地。ここから浮かれモードに入りますので徳沢登山口までの浮かれっぷりから始めます。

2016/08/15 22:27 東京駅八重洲口。40分発のバスに乗ります。バスがバンバン出たり入ったり。東京駅構内の駅弁屋でおにぎりを買いました。バスは定刻に出発。良くないっぽい天気予報のおかげでかなり空いていました。

多分、私にとって初めての長距離バス。私は一番前の窓側。随分と広くて快適でしたが、外を見ようとカーテンを開けるのは車内の暗さを妨害しそうで無理っぽい。やることが何もないので寝ます。

途中、談合坂SAでトイレ休憩。チラッと起きたら豪雨でした。私は引き続き寝ます。その後、八ヶ岳PAで停車しますが、この時はドライバー休憩らしく下りることはできません。

4:56 ふと目覚めると釜トンネル。上高地に行くゲート開き待ちでした。いつも奥飛騨に行くときはこの交差点を強制左折。初めての釜トンネルでした。

ここからずっと窓の外をガン見して、途中の大正池とか「おぉおぉ、これが本で見た場所か~」なんて感動してます。

5:12 上高地バスターミナルに到着です。

歓迎されていない曇りっぷり。

ここのトイレでタイツを履いていると、ズボンのポケットにあるはずの携帯がない。急いでトイレから出るとバス停が空っぽ。ヤベェェェ!!!っと奥に数台止まってた同じバスの方に行くと、行きの運転手さんを発見。もう松本に行っちゃうところだったらしく、間一髪で携帯電話を回収。そのあとホッとしたところでの写真です。

ハイドレーションに水を汲み、ナルゲンにも粉ポカリを仕込んで出発します。

5:43 川だ! 梓川だ! でも今まで見た写真では、川の向こうに山が見えたはずなんですけれど。

5:45 有名な河童橋。でも奥に山が見えるはずなんですが・・・。

5:55 雲が少し晴れて山の形が見えてきた。

5:56 小梨平キャンプ場。テントがたくさん並んでいました。左側はレンタルテントのようです。テントを持っていなくてもテント泊できるんですね。

 

6:18 トコトコ歩いていると目の前に山がドーン。

6:19 随分と雲がなくなって青空が見えてきた。ノッてきました。

6:22  歩きやすい。歩くたびに気分がノリノリ。そんな道です。

6:25 写真ばっかり取って前に進まない。

 

6:30 明神館に到着しましたがノンストップ。

7:06 すごい。いつの間にか雲もなく、素晴らしい景色が広がっていました。何の山だか分かりませんでしたが、真正面がこれから登る蝶ヶ岳常念岳です。を隠している長塀山(ながかべやま)らしい。

長塀山は「塀」と書いて「かべ」と読む。

穂高の、多分、明神岳とかそんな山なんだろう。これは蝶ヶ岳からの展望に期待が膨らむ

この時はそう思っていました。

7:16 徳澤園に到着。随分とオシャってる山小屋。ソフトクリームが王道らしいのですが、そんな気分じゃなかったので外のベンチで朝食のおにぎりを食べます。

徳澤園にも少しテントを張っている人がいました。普通に景色が良いので、山に登らなくてもキャンプに来る人の気持ちが分かります。バスターミナルから1時間ほどの距離感もちょうどよさそう。

ウッキッキー蝶ヶ岳まで

7:43 徳沢登山口。ここから先は登山の装備が必要=舐めた若造は近寄るんじゃねぇ。

この日、私のザックは買ったばかりのバルトロ75。小屋泊まりなのにバルトロ75。テント購入を前に、つい買っちゃった。買っちゃったもんだから使いたい。恥ずかしげもなくバルトロ75を背負って行きました。

グレゴリー バルトロ75 BALTORO 75 スパークレッド S 657810627

素晴らしい背負い心地。今までは同じグレゴリーのスタウト35でしたが、背負い心地が全然ちがう。値段も違う。背負ったときのホールド感が好き。右下についてるドリンクホルダーが使いやすい。サイドポケットのネットが伸縮するので安心。上蓋のポケットがでかくて良い。ただし、サイドポケットは左だけ。両側に無いんですね。

これを背負ってここ、徳沢登山口に立った時、「行くぞ!」って気分になりました。

7:47 「貴様は本当に登山装備なのかな?」と言うように、いきなりサルが出迎えます。たくさんいます。怖いです。ソロソロとサルの後ろをしばらく歩くと、上から20匹近いサルがギャーギャーウッキッキーと目の前を駆け下りていきました。完全にビビって放心状態になりました。サルは動きが早く、なかなかちゃんと写真に写ってくれません。

9:04 登山開始直後のサル軍団襲来から1時間以上。基本的にずっとこんな感じの道。景色? 見えません。雲一つないいい天気のはずなのに見えません。下りてきた登山者から「蝶ヶ岳からの景色、今日はすごいですよ。がんばってー」と声をかけられました。「急げる体力ないけれどがんばりまーす」と答えました。

9:22 ん~、景色が変わらない。

9:34 なんだこのホネのような植物は。シダ植物かな? ちょっとググっても分からない。

10:11 徳沢と蝶ヶ岳のちょうど真ん中。景色も見えないし、もう結構へこたれてる。

10:42 まだまだ同じ景色。ここら辺で休憩していたら、下から女性二人組に追いつかれました。会社仲間の先輩と後輩っぽい。

11:10 ちょっと空が見えてきた。けれど大体同じ景色。

11:20 長塀山山頂。といっても、登山道の途中って感じです。登った達成感ゼロ。

11:48 さっきまで雲がないのに、やっと開けた場所に来たと思ったら厚い雲。歓迎されてない。

11:53 山頂近くに妖精の池という名前があったのですが、「ここかな~。何が妖精なのかな~」なんて思いながら水面をのぞき込みました。

妖精がいた! これ、サンショウウオだよなぁ。足の生えたオタマジャクシじゃないよな。ものすごいたくさんいたので、これがオタマジャクシなら末恐ろしいことになると思います。

大体同じペースで登って来た先輩後輩コンビに「これサンショウウオじゃないっすかねぇ」と言うと、「うっそー?」なんて言われたもので、しばらくオタマジャクシだと思っていました。でも写真で見る限り、これサンショウウオだよなぁ。

12:04 妖精の池を超えると木が減って雲増量。しかし、もう山頂の予感しかない。

12:12 おぉ! 穂高連峰!の稜線だけは見せないシステム。

12:14 そして遠くに見える蝶ヶ岳ヒュッテ。本日のゴールです。

12:24 しかし穂高方面を見ると、なかなか進まない。だって、ずっと見ていないと稜線を見るチャンスを逃してしまうから。この時、一瞬前穂高かなって頭が見えました。

12:26 蝶ヶ岳山頂! 長塀山は長い塀のように長かった。長かったけれど、なんか嫌じゃなかった。

12:28 まずは先輩後輩コンビを撮影。次に私のカメラを預けたら・・・。天候の歓迎されていない感、というか雲に大歓迎されているようです。

12:30 で、気を抜くと穂高がちょっと頭をだすでしょ? で、「今度ココ! ここ背景にお願いします!」なんて撮ってもらうと、1枚目は私の頭で穂高が隠れちゃってる。「もう1枚、穂高入るようにお願いします」って再びお願いすると、当然ながらもう真っ白になっちゃってるんですよ。

だからもうあきらめた。

あきらめた様子を確認してヤル気をだす雲たち。こっちは大滝山方向。

中央に焼岳まで見える。

雲に翻弄された後、蝶ヶ岳ヒュッテに行きます。

蝶ヶ岳ヒュッテ。雲に歓迎されて出会ったブロッケン

13:04 本日の寝床。枕2つで敷き布団1枚。夏休み中は混むと聞いていたので、受け付け時に様子を伺うと「今日は一人1枚ですけれど、1枚と言っても広いですよ」の意味が分かった。枕2つ分で俺一人。広い! 富士山の4倍はある!

13:14 昼飯は蝶ヶ岳ヒュッテでカレー&ビール。どうぞご自由にガーリックチップをかけてみました。同タイミングで家族連れもお昼ご飯。小学生くらいの男の子、私がガーリックチップをかけるのを見てたんですねぇ。すっごくたくさんかけてました。

13:45 昼飯を食べた後、ずっと外をウロウロしていました。まだ14時前です。晩飯17時半です。やることが分かんない。

瞑想の丘で瞑想してみたり、でもなんか意味不明な写真になったり。

稜線を歩く自分をセルフタイマーで撮影したり、でもなんかいまいちだったり。

外の景色は完全にガスがかかって真っ白になったり、その中で野ウサギのダッシュを見たり。

小屋の外の灰皿コーナーでタバコを吸ったり、そこでおじさんとお話をしたり。

小屋の中に戻って山の雑誌見たり、マンガの稲中をひたすら読んだり。

先輩後輩コンビも蝶ヶ岳ヒュッテ泊まりで、ちょっと山のお話を聞いたり。

そんなそろそろ晩飯って17時を過ぎた頃、「雲が晴れてきたから見に行こう」とみんなで外へ出てみました。

雲海が綺麗でした。で、私一人、ちょっと瞑想の丘まで歩いてみました。

17:21 お! これブロッケンじゃね?

みんなが見ている方では特に変わった様子はない。実はみんな、ブロッケンなんて珍しくないのかもしれない。

それでもつい嬉しくて、みんなに声を掛けました。

数メートル離れた場所では見えなかったようです。みんな走って来て見ました。小屋で働いていたネパール人も「ハジメテミタ」ってサンダルつっかけて来ました。

それから当然、写真撮りまくり。iPhoneの人、綺麗に撮れていたなぁ。

 

17:21 この写真が一番頑張れた方。

17:23 しかし数分後には雲が飛ばされ、ブロッケンは消えてしまいました。さよならブロッケン。

17:24 ブロッケンが去った後、明日登ることになる常念岳が姿を現しました。すごい蝶ヶ岳からの常念岳は迫力がありました。

17:32 夕食です。普通ですけれど、種類が多いのが好き。中年になり、おいしいものをちょこっと。これで十分。ごはん、みそ汁をみんなでよそい合っていたので、私はお茶係。隣に座った人にお茶を注ごうとすると、ペットボトルを出し、無言でいらないってジェスチャー。後で知るのですが、韓国から来た単独の人でした。

食事の後、蝶ヶ岳ヒュッテには診療所があるのですが、その診療所の先生が極地での救急活動の講演会があったので聞きました。南極で診療をしたことがあるらしいけれど、そんなところへ行けるのが羨ましい。


初日を振り返る

携帯の万歩計のデータ

1日目(2016/8/16) 1万6481歩 13.6km

長塀山を登る長塀尾根は、「つまらない」「退屈」という感想を持つ人が多いようです。今回私が通った、景色のない徳沢ではなく、槍ヶ岳まで見る部分があるらしい横尾から登る人も多いようです。そっちから登っていたら、槍ヶ岳も見えたかもしれない。

でもそれは結果論。「長塀尾根、景色ないよ」と言えるのは登った人だけが言えること。私は言えるようになりました。

あとサル! サルっていっぱいいるんですねぇ。多分これまで、富士山、立山、塔ノ岳、大菩薩、筑波、男体山、両神山、赤城山、御岳山、谷川岳、金峰山、瑞牆山を登って来ましたが、小鳥以外の動物を見るのは初めて。なかなか感動でありつつ、怖くて動けなかった思い出があります。これで熊と出会ったら、一歩も歩けずにガッとやられるかもしれません。

ガスで真っ白な中、すごいスピードで駆け回っていた野ウサギも驚きました。やつら、普段はどこにいるのでしょうか。

そして忘れられないブロッケン現象。播隆上人も槍ヶ岳開山の際に見たということです。その時、周りの人たちはお釈迦さまの周りに後光が射していると見たようですが、そんな厳粛で、煌びやかで、儚い瞬間でした。理科チックに言えば、朝か夕方の太陽が低い時間に「太陽→自分→雲」の順番があると見えるかもしれません。良いもの見たって感じです。

さて、翌日は心してかからなければならない蝶ヶ岳―常念岳―大天井岳です。長いです。若干の不安を抱き、そしてこの山行一番の見どころ、穂高岳を眺めながらの蝶ヶ岳稜線歩き。そのお話は次回まで。

地図と本

【蝶ヶ岳】SEASON-1:パノラマ銀座と表銀座3日間の旅―1日目― おわり

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ

 

 


【蝶ヶ岳】SEASON-1:パノラマ銀座3日間の旅ー1日目ー” への2件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です