2020年1月19日の日曜日から20日の月曜日。一泊で本沢温泉に行ってきました。
日本最高所の野天湯。例え吹雪いていても、たどり着けるなら絶対に入る。ピークハントは「まぁ、コンディションが良ければ登っても良いけどさ~」という、今回は完全なる温泉旅。肝心の野天湯の写真はカメラを小屋に忘れたのでiPhoneです。
本日の演目
山旅のしおり
行先●本沢温泉
登山口●みどり池入口
日程●2020/1/19(日)~1/20 (小屋泊まり一泊)
同行者:SEASON2の涸沢で知り合った山の友だちと3人で。
行先を決めた理由
- 最高所の野天湯という魅力。
- ただ、この日程で唐松岳(後立山)を狙って小屋とバスを予約。
- 天候に不安を抱いていたところ、別プラン(甲斐駒予定)だった友だちも悩み中。
- 「本沢温泉とか良くなくな~い?」と意気投合。
- 相変わらず硫黄岳頂上は強風予報だったが、温泉というオプションがあるため決定!
本沢温泉とは
八ヶ岳にたくさんある温泉のうちの一つ。場所は八ヶ岳の真ん中(硫黄岳)付近の東側。硫黄岳のパックリと口をあけた爆裂火口の麓あたりにあります。従って小海線、松原湖、小海リエックススキー場なんかがある方角。一方、八ヶ岳登山と言えば美濃戸、桜平、渋の湯なんかが一般的。その場合は硫黄岳や天狗岳を経て、夏沢峠を超えて向かいます。
本沢温泉は日本最高所の野天湯ということで有名です。日本秘湯を守る会の一つで、同じ八ヶ岳からは唐沢鉱泉も該当します。
野天湯は本沢温泉の宿から登り10分ほど。混浴です。
他に宿の1分くらいの近くに「石楠花の湯」という温泉小屋があり、こちらは時間制で男湯、女湯、混浴が切り替わります。内湯もありますが冬季は閉鎖。
露天ではなく野天という表現。行くまで、別に気にすることはありませんでした。

しかし実際に行って分かりました。これは露天風呂ではない。野天湯である、と。
日本の温泉2000m以上ランキング
温泉を標高別に調べてみました。
- みくりが池温泉(2430m:富山県、立山)
- 地獄谷温泉 雷鳥荘(2400m:富山県、立山)
- 地獄谷温泉 雷鳥沢ヒュッテ(2350m:富山県、立山)
- 地獄谷温泉 ロッジ立山連峰(2330m:富山県、立山)※営業の目途なし
- 本沢温泉(2150m:長野県、八ヶ岳)
- 高天原温泉 (2100m:富山県、黒部)
- 白馬鑓温泉(2100m:長野県、白馬)
- 夏沢鉱泉(2060m:長野県、八ヶ岳)
- 高峰温泉(2000m:長野県、浅間山)
なんという立山室堂の強敵っぷり。1位から4位独占! ですが・・・、ロッジ立山連峰・・・。剱岳行ったとき、台風で屋根が剥がされてたもんなぁ。営業再開を期待しつつ、残念ながら保留! で、室堂には去年の4月に泊まった室堂山荘やホテル立山、弥陀ヶ原にもホテルがありますが、これらは温泉ではないようです。
八ヶ岳は夏沢鉱泉がランクイン。渋の湯、唐沢鉱泉は1800mチョイで、2000mには届いていませんでした。
6位と7位、調べてみたのですが共に2100m。白馬鑓を2050m、高天原を1900mとするデータもありました。
分かんないんですけれど、多分、おそらく、源泉の標高と湯船の標高の差とか、おとなの事情とか、2100mの攻防にはあるんでしょう。
アプリの地形図でざっくりみたところ、白馬鑓は2022m付近、高天原が2050m付近ということで高天原を上位にしました。
あれ? アプリだと白馬鑓も高天原も2100mに届いてないじゃん。ま、いっか。
日本の野天風呂標高ランキング
本沢温泉に、山と渓谷社資料によるランキング表が張ってありました。
- 本沢温泉(2150m:長野県、八ヶ岳)
- 白馬鑓温泉(2100m:長野県、白馬)
- 高天原温泉 (1900m:富山県、黒部)
- 手白沢温泉(1700m:栃木県、奥鬼怒)
- 三斗小屋温泉(1480m:栃木県、那須)
高天原の1900m。資料はヤマケイだからなー、何基準なんだろう。ところで手白沢温泉ってのは知らなかったので調べてみました。
奥鬼怒温泉郷。川俣温泉のその先、車で行ける秘境でした。近隣のヒナタオソロシの滝、オロオソロシの滝というネーミングが鬼怒という地名と相まって、急激に興味が湧いてしまいました。
三斗小屋温泉、行こう行こうと思って中々機会がない。三本槍まで行きたいし、喫煙者として煙草屋旅館に泊まりたいし。
本沢温泉と私
最高所の野天湯というキャッチフレーズはこの上ない魅力ある響き。露天風呂はたくさん入って来たけれど、野天っていうのは今まで無し。何が違うかすらも分からない。
ただ、露天風呂の開放感は知っている。
新穂高の水明館佳留萱山荘の大露天風呂。槍見館の川沿いにある露天風呂。深山荘の駐車場から丸見え開放感の露天風呂・・・。
日本最高所の温泉、みくりが池温泉にも入った。初めて立山で縦走をして疲れ切った中で「沁みる~」と心から思った温泉。
もうあとは本沢温泉しかない。
いつか行ける時が来たら、どんな雨でも嵐でも野天湯には入りたい。できれば雪。冬のシーズンが最高だ。マイナスの外気とぬくぬく温泉の温度のギャップ。
あとはどうやって行くのか?
電車とバスで移動する私としてはこれが一番の難関。ふつふつとチャンスを伺っているのでした。
アクセス
本沢温泉グループは赤岳頂上山荘、キレット小屋、山びこ荘、本沢温泉の4つの山小屋を運営。
八ヶ岳全体のアクセス情報が載ってます。
最寄り登山口は、稲子湯からのみどり池入口、または稲子登山口からの本沢入口。
車の場合、みどり池入口の駐車場がいっぱいなら稲子湯に止めるしかない。
本沢入口は雪上車があるって本沢温泉のHPに書いてありましたが、現在故障中でこのサービスはないらしい。
電車・バス
最寄り駅まで
東京→あさま新幹線、佐久平駅→JR小海線、小海駅or松原湖(無人駅)
新宿→中央本線、小淵沢駅→JR小海線、小海駅or松原湖(無人駅)
最寄駅から
小海駅>タクシー30~40分、本沢温泉入口or稲子湯 大体4800円くらい
小海タクシー 0267-92-2133
無人駅の松原湖駅からの乗車を事前予約していくと幸せかもしれない。
車
上信越佐久IC→R141、小海駅→松原湖入口
中央道須玉IC→R141、野辺山→松原湖入口
駐車場
稲子湯駐車場:約30台(1日300円)
みどり池入口無料駐車場:20台

本日のコース
みどり池入口 >しらびそ小屋 >本沢温泉
コースタイム3時間10分(今回のツアー3時間44分 しらびそ小屋で約1時間休憩)
本沢温泉 >しらびそ小屋 >みどり池入口
コースタイム2時間30分(今回のツアー1時間42分 しらびそ小屋で約20分休憩)
持ち物
ザック(35L+7L)の中身
- アイゼン、ワカン、ポール、ピッケル
- ダウン、フリース(R2)、ゴーグル、予備手袋(アンダー・オーバー)、厚手の帽子、お風呂セット
- サーモス500(お湯)、500ペットのジュース、お菓子(ドライフルーツ・おかき)、すき焼きセット、中華三昧、生卵2個
- 調理セット、地図、ヘッドライト、ファーストエイド、財布、携帯、携帯バッテリー、カメラ
山小屋では自炊。スーパーで売ってる使い捨てアルミ鍋のすき焼きセットと、増量分のお肉持参。
服装
- 変態長袖シャツ、変態タイツ、長袖アンダーシャツ、アンダーパンツ、フリース、春秋ズボン、レイン上下、ゲイター、冬用靴下、毛糸帽子、冬用手袋、サングラス、冬靴
NEWアイテム
MAMMUT trion guide 35L+7L
サイドポケットの無い冬山用ザックを欲しいと思っていたところ、廃番になったこの商品がサカイヤで半額14500円で売ってたので思わず購入(本当は20Lくらいのハイキング用を買いたかった)。
この世代のトリオンプロとの大きな違いは、バタフライフレームの採用(プロはU字フレーム)、横からのアクセス(プロは背面)、そして一本締め。
ピッケルループがラバーになっていて、さすが半額、経年のためにすでに割れてしまいました。現在、既存のマジックテープを生かした自作修復を目論みつつ、多分そのまんま使うか、バンジーコードで縛って使うと思われます。
最高所の野天湯へ
今回はソロにあらず!
3年前の奥穂~前穂のときに知り合い、11月には燕岳に一緒に行った(まだブログにしてない)友達2人と、3人で行きました。
そのため、カメラを地面に置いてタイマーで自撮りして、戻ってカメラを回収ってのはやってません。私が写っているのは大体友だちに撮ってもらった写真。
このブログでは便宜上、アナさんとエルサさんという仮の名前を付けます。日本人の女性です。
本沢温泉へ行こう!
当初、1月中旬頃に唐松岳にでも行こうと思っていました。夜行バスと八方池山荘の予約までしていました。
しかし天気があまりすぐれない予報。唐松岳は、真っ青な空に真っ白な後立山を見て、夜は星空を見たい。完全に曇天&強風予報でちょっと悲しい。
そんなとき! 友達のアナさんからLINE。
ア「来週、エルサちゃんと黒戸尾根で甲斐駒予定だったんだけれど天気悪そう。はちみつさんはどこか山の予定?」
俺「唐松の予定なんだけれど、あんまり天気よくなさそうで残念な感じー」
ア「どこも風が強そうですよねー。私たち、行く場所変えるかもしれない」
俺「せっかく行くなら登れなくても満足できる場所があればいいんですけれどねー」
・・・・・・。
そんなやり取りの末、本沢温泉の野天湯に浸かりに行こう!ということになりました。
朝いちばんの電車でアナさんの最寄り駅まで行って、そこからアナさんの車で清里あたりの道の駅でエルサさんと合流。そこから一路、みどり池入口まで。
しらびそ小屋まで
7:27 中央道で奥多摩あたりを通ると霧氷がすごい! クリスマスツリーみたいだ。
9:04 エルサさんと合流後、R141を小海方面へ。八ヶ岳ドーン!快晴ドーン!
10:15 みどり池入口到着。前日から止めてある車が結構ありました。駐車、ギリギリくらいだったかもしれない。
この駐車場はトイレありません。途中、コンビニはR141くらいしか見当たらなかった気がする。
10:24 出発です。登山届のポストはゲート入口にありました。
10:26 すぐに登山道である標識が現れます。が、車道の方が歩きやすそうだ。アイゼンを履かず、そのまま靴で青い矢印に沿って車道を歩きました。
10:32 ショートカットの登山道と車道が合流。登山道はまた森の中を突っ込んでいきますが、私たちはまだ車道。
10:33 ミラーがあったので記念撮影。
10:40 雪がふわふわ。
10:43 枝に積もった雪が綺麗だ。
10:50 車道は終わり。ここから登山道でみどり池方面に向かいます。
10:52 木が風にあおられて、枝から雪がバッサー。
11:31 アナさんのザックのサイドポケットにはフランスパンが刺さっています。
11:36 太陽の光を浴びていると、風でザワザワした木の音も「ようこそ八ヶ岳へ」と言われている気分になります。日影になると「山を舐めんな!帰れ!バカ!」と言われている気分になります。
11:53 視界に入るもの、いちいち綺麗で感動します。
11:54 多分、ここからしばらく日影ゾーン。
ここらへんですれ違ったのが8人くらいの若者集団。
「ウフフフ!」「アハハハ!」「ウキャキャキャ!」と楽しそうに下って来た。
みんな首から立派なカメラをぶら下げてる。2台持ってる人もいる。
みんなものすっごくオシャレな雰囲気醸し出してる。
みんなザックが蓋じゃなてクルっと絞る感じのウルトラライト的な何か。
みんなウェアのブランドが絶対セールで買えなそうなやつ。アースカラー。
こっちは登りでゆっくりじっとり。
こっちはセールでしか買ってないウェア。しかも遭難したときに真っ先に見つけて欲しい原色。
振り返って彼らを見ると、若さが眩しくて辛かったです。彼らは決して振り向くことはありませんでした。
11:55 沢があった!
11:56 こまどり沢というらしい。ここからしらびそ小屋まで頑張って40分らしい。
12:18 森の奥の木から雪がバッサー。これは綺麗だ!
落ちてくる雪をぼかしてみたり・・・
高速シャッタースピードで雪の粒を撮ったり・・・、ん?
真上から雪がバッサー!
うぉぉぉぉ! 土砂降りだぁぁぁぁ!
土砂降りチャンス到来! 夢中でシャッターを押しました。なんか線が出た。なんだこれ?
撮影終わった後、カメラも自分も雪まみれになっていました。
12:29 しらびそ小屋のキャンプ地到着。
12:30 しらびそ小屋だ。
かわいい看板です。さっきの若者たちだけではなく、北八ヶ岳はオシャレな人たちがこぞってやってくるらしいです。
ここでお昼ご飯にします。らーめん食べたい。
看板のリスがカワイイ。
看板の書体がカワイイ。
ストーブも、柱も梁も、なんでもかんでもカワイイ。さすが北八ヶ岳しらびそ小屋だ。ここに来る人はみんなインスタをやってると思われる。
インスタ映えなランプ。
インスタ映えな窓枠。
「薪ストーブで暖かな小屋の中から外を見ると白銀の世界」なんてキャプション入れるんだろ?どうせ。
「夏になると湖面がキラキラと輝くみどり池。冬の間は動物たちの遊び場」とか言っちゃうんだろ?どうせ。
「しらびそ小屋自慢のケーキを楽しんでるとリスが遊びに・・・」なんて言っちゃうんだろ?いなかったけれどさ。
インスタ映えなラーメンがやってきました。昼飯は3人ともラーメン。
小屋の中には初霜、初雪、初氷のデータがびっしり。去年に続いて今年は遅めなのかな?
13:19 昼飯を食ったあと、みどり池でウキャキャキャと遊びました。
本沢温泉へ
13:20 1時間近くしらびそ小屋で遊びました。せっかくラーメンを食べたのに、凍った池の上で遊んでいたのですっかり体は冷えてしまいました。
この後も、「アイゼンいらないかなー」ってそのまま靴で歩くことができました。
13:33 分岐。ここを中山峠の方へ向かうと、オシャレ上級者御用達の黒百合ヒュッテに着きます。
13:38 しらびそ小屋からしばらく平坦な道です。
13:49 上り下りがありました。私は一回、すっ転びました。
14:34 本沢入口方面からの道と合流しました。
14:34 ここから本沢温泉まで10分!? もう着いちゃうのって感じ。
14:37 ガンバル。でももっと歩いていてもいい。それくらい気持ちいい道だ。
14:41 本沢温泉のキャンプ地。着いちゃった。
14:43 キャンプ地から最初にすっごい小さな沢を超えて、その次にこれ。こっちの方が水汲みやすそうですが、小さい沢の方が水場。看板に書いてあります。
14:45 木の向こうに何か建物が見える。
14:47 「石楠花の湯」と書いてあります。小屋の温泉です。
14:48 本沢温泉、到着!
14:48 あー、グレートトラバースで田中陽気が足をグネって温泉で休養していた宿だ!
しらびそ小屋に負けない可愛らしさの努力が伺えます。雪だるまのまつ毛がカワイイ。
最高所の野天湯へ
15:09 小屋の中で受付。私たちは相部屋素泊まり。ちょうど私たちと同じ時間で桜平からやって来たソロの男性がいました。
15:24 相部屋といっても私たち3人だけの貸し切り。布団を敷く場所を贅沢に決めたり、ジャケットをハンガーにかけたり、モタモタしております。
小屋番のTさんから野天湯へのアドバイス「なるべく薄着で」ということで、変態網シャツとタイツを脱ぎ、上下アンダーとズボン、ダウン、受け付けで買ったタオルを片手に野天湯へ向かいます。
16:09 小屋から5分ちょいくらい登り、野天湯への分岐点に来ました。寒い。で、カメラ忘れたの気が付いたけれど、戻りたくないのでiPhoneで撮影。
いちいち読んでられないので、とりあえず撮影。
看板があったらとりあえず撮影。
日帰り入浴は600円(石楠花の湯は700円)
16:11 お! 雲上の湯って書いてある。ここを下ったところにあるのかな?
16:12 あった!
16:13 最初の感想。「どこで服を脱げば良いんだ?」
アナさんとエルサさんは女子なので、小屋であらかじめ水着を着ました。
私は男子なのでマッパです。脱ぐときは二人に後ろを向いてもらいます。
お湯は白濁なので、中に入ってしまえば見えないので安心。
あったけぇぇぇぇぇ。ぬるいけれどあったけぇぇぇぇ。
二人の体制が整うまで、ずっとこっち側の木の枠だけを見ていました。
野天湯は河原をくり抜き、木の枠で砂利が崩れないようにしただけのもの。従って足元は砂利です。
さて、一旦お湯に入ると、出るときが寒い。っていうか、入ってこの写真を撮って、一応3人で記念撮影してiPhoneを置いてお湯の中に入ると、もう二度と外気に触れたくない。
気温はこのときマイナス10度。お湯はぬるいし、1時間でも2時間でも入っていられる。
ヘッデンを忘れてた。もうそろそろ暗くなるのにヘッデンを持っていたのはアナさんだけ。ココから出たら絶対に寒いので、石楠花の湯に直行したい。
だがしかし、石楠花の湯に男性が入れるのは17時半から。直行は無理だろう。
脳内でこの後の行動予定を作戦会議。条件は
- ヘッデン所持者が最後まで湯に浸かれる。
- もはや太陽は硫黄岳の稜線に沈み、暗くなるのを待つだけ。時間がない。
- 女子は水着のまま宿への帰投は不可(凍るから)
決定!
まず自分が風呂から出て服を着て、真っ先に斜面を登って帰投。私が見えなくなったところで女子陣は帰還準備。私が帰投中に他の野天湯を目指す人がいたら、標識のところから大声で合図。何事もなければ私は宿の部屋でストーブにかじりつく。女子陣は石楠花の湯にまっしぐら。女子陣が17時半に石楠花の湯から戻ると同時に私が石楠花の湯へ。
そうと決まれば行動開始!
女子陣に後ろを向いてもらい、野天湯から出る。よじ登るように出てぐらついた木の板に立つ。
濡れないように置いておいたタオルを手に取る。体を拭く。パンツを手に・・・
避難! 緊急避難!
ヤバいほど寒すぎる。一旦湯船に避難し、服を着終えるまでの行動をシミュレーションしたところで再挑戦。
湯船から上半身だけ体を出す。タオルで上半身を拭く。シャツを着る。
布、あったけぇぇぇ。
野天湯から出る。下半身を拭く。パンツ履く。
おぉぉぉ! 布、あったかすぎるぅぅぅ。
次! ズボン履く。ダウンを着る。
なにこれ! 鎧!? すげぇ守られてる。
RPGゲームのように着々と防御力が・・・
足の裏がまだだ!
ゲームだと足元も服扱いになるようだが、実際はアイテムをゲットしなければいけない。
急いで靴下を履く。
足の指の間に挟まった小石が邪魔だ!
それでも強行して靴下を履く。時間は待ってはくれない。
靴を履く。
服、あったけぇぇぇぇ。
これだけ着れたら何も恐れるものはない。
意気揚々と雪の斜面を登り、宿までは10分かからない程度で戻りました
17時30分になって友達が戻って来たので石楠花の湯へ。
17:38 小屋では17時30分から夕食のようで誰もいない。ラッキー。iPhoneで写真を撮ろうとしたけれど、湯気がすごくて何も写りません。
浴槽は二つ。両方とも木の板で蓋がされていたので、奥の浴槽の蓋を開け、かけ湯をしてみるとこれが熱い!
草津温泉のように木の板でお湯をモミモミ。
ゴグラグダァ~
極楽という言葉を、ドラえもんが秘密道具を出すときの発音で表現するのがピッタリ。
体がとろける。蕩けるではなくとろける。もうすべてのみなさんに「申し訳ねぇ~」って感じになります。
石楠花の湯に行くときに「温まったらすぐ戻ってくる」と言いつつ、体を洗うこともできないのにも関わらず、30分以上入っていたかもしれない。普段はカラスの行水なのに。
それほど気持ちいい温泉でした。
自炊パーティー
自炊の人は、談話室を使うように言われました。談話室にはこたつがあり、小屋番の人が豆炭で温めておいてくれます。
この日の宿泊者で自炊は私たちだけでした。
宴は18時30分より開始。
手前のアルミ鍋はすき焼き。玉子は鍋にぶち込みます。玉子を溶いた瞬間、撮影を忘れていたことに気が付きました。鍋セットと同じ値段分の増量用お肉と、エルサさんからもらったエリンギとネギを乗せました。
アナさんのハムとエリンギ炒め。
エルサさんのソーセージとエリンギのバター醤油。
アナさんのチーズフォンデュ。
写真を見るとお分かりの通り、気づかずにフィルムを取らずに過熱し、「なかなかトロけないね~」なんて。焦げたフィルムを取るのに一苦労。これにフランスパンとブロッコリー、ソーセージ(ジャガイモもあったかな?)をつけて食べました。
飲み物は缶ビールを購入して飲んだのですが、エルサさんが梅酒とワインを持参。さらにいぶりがっことチーズも持参し、おつまみも完璧。アナさんとエルサさんはものすごく慣れています。
私はいつもアルファ米ばかりでしたが、11月に燕岳へ行ったときに汁物の偉大さを教えてもらい今回はすき焼きにしたのですが、なんか申し訳ない気分でいっぱいになります。
落ち着いた頃に小屋番さんをお誘いして、時間いっぱいまで4人で楽しい時間を過ごせました。
てか、本当になんか楽しかったー。俺も山小屋で働こうかなー。
2日目。温泉&下山&温泉
6:30 夜中は曇り。朝方も曇りで星空は見えず。5時半頃から目が覚めていましたが、布団から出られない。6時過ぎに小屋の朝食が始まるっぽかったので、その隙にまた温泉。野天湯ではなく石楠花の湯へ。
6:31 扉が中々開かない。
6:32 きっと凍ってたんでしょうね。扉の内側には霜がビッシリでしたから。
7:00 朝焼けでピンク色に染まった硫黄岳。雪煙が見えます。風強そうです。
部屋に戻ると2人も起きていたので、談話室で朝食の支度へ。
宿泊者の何人かは硫黄岳に向かったようですが、私たちは「風強そうだしね~」「温泉でもう満足だね~」「てか朝ごはんもいらないくらい、昨日食べ過ぎた~」
こたつでダラダラとお茶を飲んでました。
そのうち「稲子湯の温泉にも入りた~い」ということになり、3人でノロノロと帰り支度。
9:24 最後に小屋番さん含めて4人で記念撮影。
9:40 最後まで名残惜しく写真を撮ったり。
9:42 太陽が稜線から出て来たので下山開始。下りもノーアイゼン。
9:44 食料が減った分、快調に下り始めます。
9:52 稲子登山口としらびそ小屋方面の分岐。
10:10 さ、さわやか過ぎる。
10:21 3人でウキャキャキャと下ります。
10:43 みどり池にもう着いちゃった。ここでまた池の上で写真を撮ったり、しらびそ小屋のオシャレなお土産を購入したり。
奥の天狗岳を見ると雲に巻かれています。朝、硫黄岳や天狗岳に向かった人たちは大丈夫かな~。
11:21 ウキャキャキャ!
11:32 車道に出てきました。
11:34 帰りはショートカットの道をウキャキャります。
11:42 駐車場到着。
稲子湯の温泉
帰りに稲子湯の温泉に向かいます。
稲子湯は、映画『岳』のロケで使われ、小栗旬が「おばちゃーん、ナポリタン大盛!」って言う、あの山小屋。

あの山小屋と同じです。おばちゃんはここ、稲子湯旅館でロケをしていたんですねぇ。
それでは勢いよく「おばちゃーん!」と入って行きましょう!
一気に現実の世界に引き戻されます。
ここでナポリタン大盛やら爆弾チャーハンを頼んではいけません。紳士的に日帰り入浴の受け付けをします。
Tel/Fax 所在地 0267-93-2262 長野県南佐久郡小海町大字稲子1343
外来入浴 料金 大人 650円 小人 300円
泉質は二酸化炭素硫黄冷鉱泉。そんなウンチクはどうでもいい! 文字通り染みる温泉。体の隅々に染みわたる温泉。
確かに登山で遊んだ後の身体にはどんな温泉でも、いや普通のお風呂だって気持ちがいい。そこをあえて無理やり表現すると、毛穴から毒素をとってくれるような気持ちいい温泉でした。(※個人の感想です。効果には個人差があります)
入浴後、清里の道の駅で昼食を食べ、自宅へのお土産(ドレッシング)を買ってから解散。エルサさんは近畿地方へ。アナさんと私は東京に戻り、19時には自宅に帰りました。
本沢温泉ツアーまとめ
万歩計の歩数
1/19 1万7722歩 14.9km 1055.83kcal
1/20 1万4173歩 11.91km 844.39kcal
YAMAPのデータ
活動時間 06:48:00 移動距離 11.6 km 登り744m 下り746m カロリー2742kcal
八ヶ岳の樹林帯ってのは苔生した春からの道も良いけれど、雪もいいねぇ。すばらしい。歩いていると自分までオシャレになった気分になってくる。
どこの風景もフォトジェニック。写真がうまくなったように錯覚しちゃうね。危ない危ない。
雪山初心者の私が言うのもなんだけれど、「雪山って怖いな~、でも初めて見たいけれどな~」と思っている人がいるとしたら、アイゼンとゲイターだけ買えば、晴れた日に経験者と行くのに良いと思う。なにしろゴールは温泉。頂上にあらずっていうプレッシャーのなさでありながらも温泉で得られる満足感。素晴らしい目的地。
そして最高所の野天風呂、雲上の湯。
アナーキーでかなりハードルは高い。遮るものなど何もない。脱衣だけでなく風からも無防備。その開放感たるや、写真や動画では伝わりません。是非ともおススメしたいのですが、混むのは困るな~。夏場なら水着にサンダルで行ってそのまま帰ってきても良いんだけれど、冬季は山小屋に着く前に凍っちゃう。それでも雲上の湯はみんなに行ってもらい、いつかどこかの山で私とあったとき「本沢温泉の野天湯、あれすごいっすよね~。出るときにテクニックいりますよね~。そうそう、それ大変だった! ギャハハハハ」と思い出話をしたいところです。
もちろんですが、石楠花の湯だけでもすんごく最高なんです。
【本沢温泉】SEASON-5:最高所の野天湯へ。頂上はいかなーい。【終わり】