第7登【両神山】SEASON-1:熊の恐怖を吹き飛ばした鎖場の楽さ!


2016年5月28日、両神山に登りました。

登山に向かった日の5日前。頂上付近で登山者が熊に襲われ血だらけで降りてきたそうです。現地へ向かうバスで知りました。ビビりました。聞こえる音、見える景色が悲しげでした。

しかし登り始めると、そこはまさにアスレチックのような面白さ。両神山は、景色や達成感とは一味違った新たな楽しさを教えてくれた山でした。

 


山旅のしおり

行先両神山(りょうかみさん)、埼玉県秩父郡小鹿野町と秩父市の境目

日程:2016年5月28日土曜日(日帰り)

同行者:なし

行先を決めた理由:「鎖場の初心者おススメ」と紹介されていたこと。秩父という行ったことのない場所への興味。秩父鉄道の「御花畑駅」という名前への興味。

両神山について

標高1723m。日本百名山です。

「神」という名前が示す通り、山岳信仰の霊峰。

八百万の神様がいる日本において、「両方の神様」と表現できるゴールデンコンビとは・・・。皆さんご存知、イザナギイザナミペアですね。この二人の神を指して「両神」という説があります。双耳峰である筑波山も、男体山と女体山のそれぞれにイザナギ&イザナミペアが君臨。「神を祀る」という場合、祀られている神はある程度固定されている気がします。やはり有名どころのスターを祀っていたいた方が有難みもありそうだし。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)には武尊山(ほたかやま)というどストライクな山が百名山にあります。

ヤマトタ毛深イノミコトの山はありません

そのほか両神山の由来として、龍神(りゅうがみ)が訛って、醸されて、成熟して、「両神」となった説。そしてヤマトタケルノミコトが東方征伐の際に8日間見てた山→八日見ていた山→ヨウカミテイタ→ヨウカミ→リョウカミとなった説など、諸説あります。

「諸説ある」って便利な言葉です。

【両神山の場所】

アクセス

西武線で行くと、西武秩父駅から御花畑駅までちょっと歩きます

最寄り駅から登山口まではバスの乗り換えがあります。

二重にめんどくさい!

怪人2重にめんどくさいは、前回のブログ怒濤を参照下さい

【当日の往路】

自宅→池袋駅

池袋駅5:39(準急飯能行き) 06:32 飯能駅

飯能駅 06:34(普通西武秩父行き) 07:19 西武秩父駅

(徒歩)

御花畑07:25(普通三峰口行き)三峰口7:45着

三峰口7:48(小鹿野町営バス薬師の湯行き)薬師の湯8:06着

薬師の湯8:15(小鹿野町営バス日向大谷行き)日向大谷8:50着

塔ノ岳登山からヤマレコに登山計画書を残していました。後から見返すだけでも思い出にふけることができます。

初心者向けの登山口は日向大谷(ひなたおおや)。そこまで行くバスは、小鹿野町営バスの薬師の湯バス停から出ています。薬師の湯までは、秩父鉄道の三峰口駅と、西武秩父駅から。最も早い到着時間を考えて、三峰口駅をチョイス

行く前に、時刻表を調べることも、また登山の楽しみ。

コース

コースタイムの登りは3時間30分。男体山の3時間50分より短い。とは言え、距離は4.4km(両神山) vs 3.9km(男体山)と、両神山の方が500mほど長いです。

日向大谷の標高は672m。山頂は1723m。約1000mを登ります。最初の1kmチョイの会所まではほぼ水平移動。そこからジワジワと登ります。

清滝小屋までは薄川という沢沿いを歩きます。沢は尾根にはありません。したがって山に囲まれながら歩くことが予想されます。

ちなみにコースマップのやまびこ実験したくなるゾーンは勝手に名付けたものです。ここを歩くとき、特に下りのとき、やまびこを試したくなると思います。きっと成功します。私は成功しました。

 


両神山登山

ウキウキ登山口まで

5:37 池袋駅。ここで写真の時計と4分ほど狂っていることに気づきます。

 

時刻の修正がめんどくさい

ブログは写真のデータによる時間を記します。

登山者の多い西武池袋線。飯能に近づくに連れ、その人数は増します。飯能駅で乗り換えると、座る席も無いほど登山者で混み合いました。しばらくするとほとんどの人が下車。イベントがあったようです。

西武秩父駅から秩父鉄道のに乗り換えます。御花畑駅までは400m約5分の道のり。乗換案内だとヒットしないほどの短い乗り換え時間が求められます。当然写真を撮る余裕はありません。到着と同時にダッシュします。他の登山者もダッシュです。先頭は私でした。西武秩父駅は工事をしていました。仮囲いに覆われた通路をダッシュします。

間違えてトイレに着きました。

後ろをついてきた人は、そのまま戻りました。私はごまかすために用を足しました。後ろの人、ゴメン。

気を取り直して(スッキリして)ダッシュ再開。御花畑駅の改札は、踏切を超えたところにあります。踏切を渡る途中、カンカン鳴り出しました。もうすぐ来るらしい。他の乗り換え登山者も急ぎ始めます。

改札とホームは目の前。改札口に着いた頃、電車が入ってきました。

間に合った・・・・・・!!! えっ、suica使えないの???

駅員が急かす。俺、慌てる。財布、見当たらない。駅員が急かす。ザック降ろす。まごつく。

駅員「どっち行くの?」

私「三峰口までなんすっけど、あれ~、あれれれ~、財布が~」

駅員「コレ渡すから三峰口で払って! 急いで」

コレもらいました。

ここからのんびりと三峰口まで。

 

7:52 三峰口。終点です。ホームを下り、線路を横切って改札口に行きます。到着したホームの対抗には、痛車ならぬ痛電が止まっていました。

不思議なことに、大勢いたと思われた登山者は、私含め2人でした。

7:53 かわいいバスが待っていました。

もう一人の登山者はタクシーに乗ってしまいました。バスは私一人です。

両神山は日本百名山。たくさんの人が登ると思っていました。人がいるからこそ、初心者の私も安心して登れると思っていました。

なんで人が少ないんだろう?

そう思いながらバスに乗り込みます。

原因はこれか!?

誰も乗客がいない中、不安が募ります。

恐る恐る運転手さんに聞きます。

私「普段から両神山はそんなに上る人っていないんっすかねぇ」

運「そんなことないよ。でも熊が出たからなぁ」

私「先週の土曜日とか、この時間のバスは普段は何人くらいが乗るの?」

運「20人くらいだねぇ」

ここから運転手さん、止まりません。

「襲われた兄ちゃん、朝乗せたの俺なんだよぉ」

「山頂付近の神社で襲われて、血だらけで降りてきたらしいよ」

「登山口まで降りてきて通報して、そのままバスで薬師の湯まで行ったんだって」

「救急車は大げさで嫌だったんだって。薬師の湯で警察と救急車と合流して、そりゃあ大騒ぎさ」

なにそれ怖えぇよ!

8:19 薬師の湯。いろいろ教えてくれた運転手さんとお別れです。

登山者が一人増えました。ホッとしました。

8:51 日向大谷。乗用車は結構止まっています。

坂道と階段を上って登山口へ。入口には民宿があります。ここでバッチを買いました。

 

日向大谷から清滝小屋

ヤマレコで作成した登山計画書を見ると、

9:30登山口出発→13:42山頂(30分滞在)→17:12登山口到着

と予定していました。

入口には消防だか山岳救助隊だかの人がいて、声をかけられました。もちろん「熊に注意してね」と。

9:08 登山口のカウンターを押しました。

立て看板もしっかりとあります。もう不安いっぱい。

写真を撮っていると、おじいさんに抜かれました。薬師の湯からバスに乗った登山者は、民宿でバッチを買っている最中、すでに先を行ってしまいました。

おじいさんが速いこと速いこと。「おいて行かないで~」と言えるわけもなく、私に付いて行くスピードも体力もありません。

とぼとぼ歩き始めます。心なし、ザックに付けた熊鈴を大きく響かせながら。

9:23 熊だけでなく、「そんな厳しい道なの?」と、さらに不安を煽ってきます。

9:26 早速、鎖が登場しました。でもあんまり大したことない。

9:40 ほぼ水平移動。ずっとこんな道。片側は山。もう片側には川の流れを感じます。

9:41 多分会所。急に出てきた広い休憩場所のようなところ。

9:42 木の橋を渡りました。水が、苔が綺麗。

9:43 森と水。癒されます。熊さえいなければ。 

9:52 急に出てきて、怖えぇよ! 登山道では終始、こんな石像が所々でお出迎えしてくれます。

9:54 分岐がなくても道しるべがたくさんあります。真っすぐ行ったら、詰むんでしょう。きっと。

10:02 道しるべだけでなく、赤いリボンもあるので安心。熊さえいなければ。

熊鈴の音が、チーンチーンチチーンチーンチチーンチチーンチチーン。葬送行進曲に聞こえました。

10:36 八海山は道標のスポンサー・・・、っていうわけがない。

八海山の道標を回り込み、もうすぐ清滝小屋です

10:48 白藤の滝へ行く分かれ道。私は足が遅いので行きませんでした。帰りのバスも心配だし。

11:03 弘法之井戸。飲めます。コップもありました。ゴクゴク飲みました。記念ですし。

ここの直前でお若いの2人と私と同世代1人の3人組に抜かれました。3人はここで休憩のようで、私は先を進みます。

11:17 清滝小屋。無人の小屋です。ただここら辺から登山者の気配が急に増えました。心強いです。

中を見学。泊まれるみたいです。でも経験がないので、どこをどうしたらいいのか分かりませんでした。

11:30 靴づれっぽいのでバンドエイドを貼って再び出発。

バンドエイドはキズパワーパッドに限る。私の登山の必需品。

山頂まで鎖場の連続

11:43 清滝小屋を出ると、急坂になってきました。

さっきの3人組が近づいてきたので道を譲ります。すると3人目のおじさん(多分同世代)が、「いやー、若い人には付いていけない。どうぞ前を行ってください」的なことを話しかけてくれました。

3人は仲間じゃなく登山口で一緒になり、ここまで一緒に来たそうです。ここからしばらく一緒に登ります。

急だね。

うん。

11:47 産体(泰)尾根。初めて景色が見えました。でもおばちゃんたちが大勢いました。

11:54 久々の鎖。ここまで一緒にきたおじさんに先行してお手本を見せてもらいます。

11:58 鎖があると渋滞も。団体だったのでどこまで待つのか不安でしたが、後続を待っていたらしく譲ってくれました。

11:58 鎖が連続します。

12:06 よくこんな山中によく資材持ち込んで仮設階段を作ったと感心する。

12:09 すごい岩。

横に岩がある。そうだ!横岩と名付けよう。って感じなんでしょう。

あながち男体山で名前を付けていたのも間違っていないのかもしれない(いや、間違っている)

ここら辺で一緒だったおじさんとはお別れしました。私が付いて行けなくて。

12:20 歩く道の先が見えると、勇気が湧くときもあれば・・・。

ここのときは「え~、これ登るの~」って感じでした。根っこの階段地獄。

12:25 両神山神社だ! ここで熊に襲われた話を思い出します。

ここから血だらけで降りるのって、途中に鎖場もあるし、相当辛かったと思います。

12:26 神社では、若者とさっきのおじさんたちが食事してました。私はとりあえず先に山頂へ。

カワイイ狛犬だなぁ、おい。

神社の裏手。白井差コース廃道のお知らせがあるけれど、往復の利用で登山料を払った人だけOKなんだよね。コースを選ぶとき、行きたかったけれどシステムが分からず、マイカーじゃないと厳しそうでやめました。

裏手の狛犬もかわいいなぁ、おい。

あとヤッツケ仕事のおみくじ。今思えば引けば良かった。記念に。

12:30 綺麗なお花が登山道を彩ります。

 

このお花はアカヤシオと言うらしいです。

12:40 仮設の橋を渡ります。

12:46 そしてまた鎖。慣れると楽しい。むしろ鎖ばっかりやりたい。

12:55 ジャングルジムをよじ登って遊んだ子供の頃を思い出す。楽しい。鎖サイコー。

12:57 そして山頂まであと100m。

久しぶりの景色。そういえば、基本的に森の中、緑の中ばっかりの行程でした。

13:00 もうすぐ頂上のはずなのに、見えない。それどころかまた鎖。

13:01 たぶん、ブルーザーブロディの次くらいに鎖を愛しちゃったかもしれない。そんなことを考えていたら・・・。

13:03 いきなり山頂。急に山頂。アレ?ってくらいの山頂。

山頂は人いっぱい。もうギュウギュウ詰め。カメラを赤の他人に渡して撮ってもらいました。

木と木の間からの景色に山深さを感じます。木と木の間じゃなければ、抜群の展望なんだけれど。

頂上には、トコトコ歩く登山とは違う装備の団体も。ロッククライミングですねぇ。ヘルメットが格好いいですねぇ。しかしせめぇ。猛烈に狭い。

記念写真撮るのも大変だ。

 

一部からの展望は素晴らしいです。緑がまた濃くって。

 

下山

山頂でコーヒー入れて・・・、なんて思っていましたが、何しろ狭い。食事をする場所を探し、できたら展望の良いところを探して戻りましたが・・・

神社まで戻ってきてしまいました。

で、メシをがっつく。そして気が付く。「写真撮ってなかった!」

14:10に両神山神社から下山します。下山はやっぱり、カメラをザックにしまいます。バカでかいウェストポーチは行動の邪魔なんですよね。でもほかに術がない。この頃はそう思っていました。今ではカメラ用バカでかウェストポーチを使うことはなくなりましたけれど。

脳内での記憶

クサリを楽しみに八丁峠から登って来たという、ヘルメットをかぶったおじいさんと山頂で写真を撮り合いましたが、帰りは日向大谷へ下るとのこと。無理してバスを間に合わせて「途中で温泉入りたい」と言っていました。

私も温泉に入りたいのは山々ですが(山だけに!)、食事をしていなかったので温泉に入れるバスは考えていません。おじいさんとは神社でお別れしました。

神社から清滝小屋は下りの鎖が続きます。

序盤の熊に怯えていた気分は、すでにどこかへ吹き飛んでいます。

山深く、新緑に囲まれ、孤独を感じながら下山しているとき、登りでは気づかなかった景色の開けた場所が目に留まります。

ふつふつと野望が湧いてくる。

叫びたい! ここならやまびこがうまくいくかもしれない。

そう思ったら止まらない。例え大声出す恥ずかしさがあったとしても、だ。

ホォー!

叫んだ!

ホォー!ホォー!ホォー!

すばらしい!

気をよくした私は、それ以降、景色が開けていない場所でも、ホォーっと叫びながら下山。清滝小屋あたりからは谷間に入るので、これがまたよくコダマするする! 「なんだ? 奇声をあげたバカが上から下りてきた」という目を向けられるまで叫び続けました。

人に見られたらもう叫べない。でも気分は上々。

頭の中で、たまに口に出しながらガッチャマンを歌いながら下っていると、1人の下山者が。道をふさいではまずいので譲ろうとすると、「いや、いいですよ。ゆっくりどうぞ」と。

その後、ずーっと一緒に下りきました。

単独には単独の楽しさがある。でも誰かと一緒に行動するのも楽しい。ただし相手に迷惑がかからなければ。

一緒になってからの私は結構スピードを上げました。いろんな話をしながら。

相手は来週、尾瀬に行くとか、明日はマラソン大会だとか(マジ!?登山で疲れないのか!?)。

途中で「下山後はバスあるのか?」的に聞かれたので、「コーラ飲みながらバス待ちます」と言ったら、「車で来たんで乗って行きます?」とお誘い。

しかし簡単に「ありがとう」とは言えません。私が最後まで同じペースで行動できる自信がなかったし。

案の定、ゴール目前で「もうダメだぁ。先に行ってください」とギブアップ宣言。しかし「ゆっくり一緒に行きましょう」って。

もう、ね。なんかすごく嬉しかったです。

結局、帰りはお言葉に甘えて車の方へ。

私「汗だくなんですけれど、本当に良いんですか?」

彼「良いですよ。で、僕は温泉入って帰る予定なんだけれど、用意とかないですよね~」

私「それがですねぇ、あるんです!」

ずうずうしく、帰りに温泉まで連れて行ってもらい、入浴後にじゃ西武秩父駅まで送って頂きました。

お別れのとき、さすがに「また今度、どこかの山で会いましょう」というわけにいきません。お礼をしたいのでメールを伺いました。

帰りは電車のタイミングがバッチリで、初のレッドアローに乗ることができました。

レッドアローから見る武甲山は、まるでピラミッドのような存在感でした。

 


両神山登山を終えて

携帯の万歩計のデータ

2万9501歩

24.4km

今回の収穫

鎖場の楽しさ。

クサリは富士山にも立山にもなく、丹沢表尾根に1カ所だけちょこっとあったやつしか経験していませんでした(男体山にもあったけれど、使わない道を通っちゃった)。したがって、「鎖=登山慣れしている人が通る道」という先入観がありました。完全に間違いです。むしろ鎖がある方が私には面白さがありました。経験することって、新しい世界が広がりますねぇ。

やまびこ。

ちゃんと返ってくるやまびこは初体験だったと思います。てか、本当にちゃんと返ってくるもんなんですね。マンガの世界だけかと思っていた。

出会い。

登山趣味お試し期間の立山でも感じた出会い。人のやさしさに触れることって、なんて嬉しいことなんだろう。

正直言って、今回の山行による両神山での展望は、期待ほどではありませんでした。しかし、鎖の楽しさややまびこ、そして出会いによって両神山は忘れることができない山となりました。

こんどは八丁峠に行きたい。でも日帰りで公共交通機関を使って行けるのかな? あのヘルメット被ったおじいさんはどうやって行ったんだろう。聞けばよかった。ちなみにヘルメットおじいさんは、温泉に行ったときに「さっきのお兄ちゃんじゃん」と声をかけられたのですが、あまりにもおじいさんが風呂上りでサッパリしすぎていて一瞬気が付かず、微妙な挨拶になったことが心残りでした。

両神山の地図

登山のときは、地図を必ず持参しよう。後から地図を見るとき、その思い出が深くなるから。

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