【剱岳】ロード・オブ・ザ・剱岳2/二つの試練:SEASON-3


2018年9月22日の土曜日から24日の月曜日まで、剱岳へ行きました。その2日目。剱岳山頂に立つ!

日が明けぬうちに剱岳を目指して下山後にテント撤収からの帰宅・・・の予定が大きく狂ってしまう俺。心に深い傷を負いながら旅立つと、そこは今までで最も険しく、そして楽しいルートであることに気づく。

一方、俺の肉体を襲う飢えと渇き。1年前の重太郎新道を思い出したとき、希望の一服剱に着くのであった。


山旅のしおり

全行程●室堂⇒雷鳥坂⇒剣御前小屋⇒剱澤キャンプ場(テント泊)⇒剱岳⇒剣山荘(小屋泊まり)⇒剣御前小屋⇒新室堂乗越⇒室堂⇒富山

今回のレポート●剱岳登山

日程:2018/09/22~09/24 2泊3日

同行者:渋滞続きなので、知らない人でも顔見知りになるよね。

本日のルート

オレンジ色のルートが1日目。水色の太いルートが2日目。

剱澤キャンプ場から剣山荘まで20分。剣山荘から頂上まで標準コースタイム2時間30分です。

私は6時10分に行動開始し、6時50分に剣山荘を出発。頂上到着10時ちょい。3時間15分くらいかかってます。

帰りは10時30分下り開始。13時35分剣山荘着。復路の標準コースタイム2時間に対し3時間かかっています。

ひどいもんです。ただ、カニのタテバイから頂上、ヨコバイ、前剱の門を超えるまで、かなりの渋滞があったことを言い訳とさせて頂きます。

登りと下り、ほぼ同じ時間かかってるんだもんなぁ。


ロード・オブ・ザ・剱岳

一つ目の試練

22時頃は、シュラフから露出している顔だけに寒さを感じていたのですが、そのうち寒さは感じなくなりました。

その代わり風が強い。

1時頃に目を覚ましたとき、一旦テントの張綱を直して外に出ました。

この日の予定は4時半頃に起きて、朝飯を食べ、5時から行動開始。その際テントなどはデポする予定でした。

4:01 昨晩はほぼ満月で明るかった夜空でしたが、月が山の稜線に隠れると満天の星空。

すでに剱岳の山頂に向かうヘッドライトの明かりも見えます。

綺麗でしたが風が強くて一旦テントの中に入り、予定通りあと30分寝ようかと。

で4時半になったのでテントの外へ・・・。

!!!

外へ出た瞬間、吹き飛ばされるテント。

タックルで止めた私。

4:37 テントの中にはカメラが! 真っ先にカメラを救出。

大丈夫、どこも壊れていない。その拍子に押したシャッターが4時37分。

その後、テントを建て直そうとすると、テントポールがグニャリと曲がってる。

元に戻そうとしたら・・・

ポッキリ折れた。

こうなったときにまず、何をするか?

テントが崩壊してしまったときの行動。

テント崩壊をシミュレーションしていない初心者の皆さん。お待たせいたしました。

「テントが崩壊して困っちゃった」というケースに遭遇したときに何から始めれば良いのか?

今回は私の体験から順を追ってご紹介します。

step1●ボーっとします。

心落ち着くまでボーっとしましょう。崩壊したのはテントだけでなく、自信の心、そしてこれからの予定です。ポッキリ折れてしまったテントポールはどうしようもありませんが、己の心は気合でどうにかできます。そして「できることをやる」の精神で新たな予定を立てましょう。

さて、私はペシャンコのテントの上に座りながら、さまざまな思考が出てきます。

step2●トイレに行きます。

 トイレに行きたい。でも放置したら飛んで行くだろうな・・・・・・ ⇒冷静に考えました。付近からでっかい岩を持ってきてテントの上に乗せて置けばいい。そもそも岩に張り綱を結んでいたわけだし。

step3●手あたり次第ザックに詰めます。

 手始めに何からやろうか・・・・・・ ⇒本来は片付け。だがしかし心が折れているので何もする気が起きない。テントの上に座り、星を見ていました。そして他にも転がっていくテントを見つけました。すると不思議。自分に勇気が湧いてきます。ヤル気が出てきます。

5:01 30分ほどの放心状態の後、やっと自分の置かれた状況を撮影する気力が復活しました。

まず、手元の黄色いシュラフをやっつける。シュラフを入れるコンプレッションバックほか、何かが入っていた袋類は、幸いなことに一カ所にまとめてあったので、すぐに発見。ヘッデンだけの真っ暗な中でシュラフを詰めました。帰宅後、シュラフの中からダウンパンツとネックウォーマーが出てきました。

シュラフを片付けた後、ザックをテントの外に脱出させ、とりあえず目に付くものから片っ端に詰め込みます。

ただしこの頃、まだ予定は未定。

「トラブル=撤退」の文字も頭をかすめます。しかし徐々に明るくなってくると、そんな後ろ向きな気持ちが吹き飛んでいきます。

5:46 剱岳が綺麗なモルゲンロート。これを見ることで心が浄化されていきます。

step4(LAST)●歩きます。

やっぱり登るぞ!。

「さて、それでは荷物をどうするか? どこかにデポさせてくれる場所があるのか?」

そんなことはもうどうでもいい。とりあえず全部ザックに入れて出発しよう。予定時間をオーバーしているから、おそらく今日中に帰ることはできないだろう。剣山荘に泊まりたい・・・・・・。

ギリギリまで頑張って、下山してから判断するため、剣山荘まで進むことにしました。

旅立ちの刻(とき)

6:07 予定通り出発してからテントが飛ばされていたらと思うと・・・・・・、ぞっとする。

他にも谷に飛ばされているテントもありました。飛んだテントがぶつかって揉めている人もいたそうです。もしも誰かのテントにぶつけて「金払えこら!」と言われていたら、私は剱岳へ登る気力がなかったところです。

6:34 剣山荘が見えてきました。

ここで荷物を少し整理して、アタックザックと飲料水とカメラ、財布だけを用意しました。行動食はどこかへ行ってしまいましたが、ザックの中にはあるはず。持って行くことは諦めます。

水は昨日煮沸してボトルに移しておいた分が900ml。その他剣山荘で買ったペットのスポーツドリンク500ml1本。もう一本、カロリーありそうなカルピスを購入し、朝飯代わりに飲みました。

ザックに関して、小屋の人にデポできるか尋ねると、「小屋の後ろの石垣のところにみんな置いてますよ」ということで、そこに放置することとします。

6:48 さあ登山開始。

6:57 すぐに1番目の鎖場登場。

6:58 10分ほどで随分高い場所に来ました。

7:04 すかさず2番目の鎖。

7:04 すでに人でつながっています。

7:09 2番を登る途中、日本海の方が初めて顔を出しました。そしてこの目の前が剱岳・・・・・・

7:10 ・・・の手前の前剱。一旦下り、登り返さないといけません。よーく見ると登っている人が大勢見えます。

7:13 一服剱まで来ました。ここまでは人の流れに乗ってあっという間。

7:19 遠くにキラキラと光る雪渓が見えます。

7:25 振り返って一服剱を見ます。ツアーの人たちが多く、道を譲ってくれました。

7:42 多分さっき、前剱に登っている人が見えたところの斜面。息が上がります。

8:04 4番の鎖場。3番の鎖の看板をどこかで見落とした。

8:12 前剱にきました。正直「もうここまで来たら満足かな~。今戻れば、今日中に帰れるし」という気持ちがないわけではない。

8:13 しかし前剱まで来ると、剱岳山頂がよく見えます。ここで帰るなんてできない。

8:16 振り返ったときの景色も最高だ。

8:22 前剱で休憩した後にちょっと進むと、雑誌でよく見る鉄の橋と鎖場。前の人を追います。

8:23 鉄の橋を落ちないように渡ると、鎖場のプレートが見えました。

8:23 予定通りの5番目。

8:25 鎖を超えると剱岳山頂ドーン。で、また登り返しがあります。次のピークは平蔵の頭。

8:29 6番目の鎖場は下り。前に家族連れがいて、小学生くらいの子どもが下っていました。既に鎖に取りついているので、抜くことはできずにかなり待ちました。鎖を下りきって子どもを追い抜くとき、「がんばったね」と声を掛けたのですが、子どもは辛そうな顔をしていました。

しかし、私の後ろもすごい渋滞だったのですが、親は後続を抜かせようと思わないのが不思議でした。

8:41 離されていた前の人に追いついた。ただしこっちはもう肩で息をしている

8:54 平蔵の頭手前のケルンは展望がよく、場所も広いのですが、多くの登山者が休憩していたのでスルー。

8:57 多分、人が見える場所は下りルート。私はどこから登ったんだっけ?

8:59 どこかに7番目の鎖があって・・・・・・

8:59 どこかを登ったに違いない。

9:04 平蔵の頭に来ると、山頂が近く感じます。

9:04 よく見ると大行列が・・・。これが噂のカニのタテバイか!

9:07 タテバイに行くまでも鎖場があります。

9:08 8番目、平蔵のコルの鎖場です。ここまでの鎖場は、スリリングで楽しかったです。

9:08 多分、アドレナリンがドバドバ出てるんだろう。

 

剱岳頂上まであと直線250m

9:14 タテバイの行列に着きました。

雑誌やテレビで聞いてはいたけれど、実際見ると迫力が違う。明らかに違う。100倍くらい凄い。

ほぼ壁(写真は少し傾いてる)で、マンションの10階分くらいは余裕でありそう。鎖の長さは50mあるらしいです。

9:16 行列待ちの間、後ろを振り返ります。真ん中が平蔵の頭ですね。その後ろ、左に前剱。

9:23 9番目。カニのタテバイを登るまで、あと前に2人となりました。

この後、登る直前まで写真を撮ってますが、前の人が主題となってしまうので割愛。登っている最中は、一切撮影できませんでした。

ハーネス付けて、安全確保すれば写真撮れたんだろうけれど、それがないとちょっと怖い。実際、登山者の1/4から1/3くらいの人はハーネスを付けていたように感じます。

写真右のピンクの四角は、写真にバッチ処理でウォーターマークを入れる際、横位置の写真と一緒に処理してしまい、エリアの認識に差が出て外せなかった四角ですが、めんどくさいのでそのままにしています。

9:44 おそらく安全な場所まで登ってきての振り向きざまの写真。登り始めてから20分ほどかかったようです。もう最高に楽しかった。

「とんでもない所に来たな」とか「これマジで登れるの?」とは思いましたが、「怖かった」というネガティブなイメージは一切なし。むしろ「あれ? 20分も鎖にしがみついていたんだっけ?」って感じ。

9:53 あとはガレた急斜面をトコトコ登る。こういうのが息切れる。前の人にも置いて行かれる。

途中、早月尾根からの合流があり人が急激に増えました。

10:02 早月尾根合流過ぎたあたりから白い兄ちゃんと「もうちょっとだね」「もうすぐだね」なんて話しながら一緒に登りました。で「祠が見えましたよ」と言うと白い兄ちゃんは加速して進んでいきました。

激混み山頂

タテバイから40分。時速375mで頂上に到着しましたが、すごい人混みだ!

どこで何を撮っても、個人情報保護法だの肖像権だのの問題がありそうな写真ばかり。

とりあえず真っ先に写真の行列に並びます。

10:14 やっと順番が回ってきて、写真を撮ってもらいました。この祠の前で撮った後は・・・

10:18 みなさん、この岩に立って撮影のようで、私も流れに乗って写真を撮ってもらいました。

10:18 おめでとうございます。念願の剱岳です。

この日、この時間の剱岳山頂での記念撮影。今までで一番殺伐と感じました。ちょっと撮影に手間取り、「後ろ並んでるんですよ」って言われている人が可愛そうでした。

それでもギターもって歌ってる人はいるし、、、

座って休む場所を見つけるのも大変だし、、、

ウロウロしてたら三角点を見つけて撮影し、、、

行列から気付かないように祠の脇にあった看板を撮影し、

能登半島を肉眼で見て、、、

10:30 祠の裏手でちょっと座ってから下山することにします。

剣山荘へ

10:32 この景色を見納めとして、下山開始。

10:44 日本海側が見えるとき、毎回「うぉぉぉぉ」って感じる解放感があります。

10:52 下りも渋滞です。待つ場所を考えないと、風に吹きさらされることになります。

10:55 カニのヨコバイまで来ましたが、ここでも渋滞。っていうかこの後もずっと渋滞。

11:08 やっとヨコバイの順番が回ってくるところ。前の人を動きを見ていたので、はじめの一歩を置く場所はすぐに分かりました。

11:13 ヨコバイの鎖が終わったらハシゴ。

11:18 ハシゴが終わって、トコトコ下ります。

11:22 11番目の鎖場がどんなんだったのか覚えていない。

11:23 しかし終わって通過してみると、平蔵の頭までずらーっと並んでいたことは覚えている。

11:25 並んでいたのは平蔵の頭に向かう12番目の鎖場でした。

11:43 平蔵の頭のケルン。渋滞で並んでいたので、休憩せずにまたもやスルー。

11:57 前剱の門です。スピードが上がらないので、ヨコバイ手前からずっと後ろにいた山ガール2名に道をゆずりました。

11:58 13番目。前剱の門。

二つ目の試練

ここを登ってからが長かった。

スピードが出ないというか、足が進まない。「帰りたくない」とかいう理由ではなく、完全にエネルギー不足。朝飯、食べてなかったもんなぁ。

1年前の奥穂高から前穂高のとき。朝飯は食べずに穂高山荘で食べたカップラーメンと菓子パン1個。最後の重太郎新道はコースタイム2時間のところ、倍の4時間かけて下りました。そのときと同じ。

歩きながら猛省ですよ。「同じ失敗繰り返しやがって」って。

一番辛いのが、残りの飲料水が心もとないこと。

すでに夏の気候とは違い、秋になれば摂取する水分量も減るはずだったのに。

13:08 もうすぐ一服剱というところで、久々に写真を撮りました。

一服剱まで行ったら一服したい! タバコは持ってないけれど、貴重な水分を一口だけ口に含みたい!

13:13 一服剱到着。眼下に見える山小屋の存在感! 近い!

一服どころかガッツリ休憩しようと思っていましたが、残ったポカリをひと思いにすべて飲み干し、溢れるパワーによって下りました。

この最後のところで、上から聞こえて来た「ラーク!」の声。今回、あちこちで聞こえていましたが、私が石を落とすことなく済みました。

で、落とされた方の立場として「あぁ、なんか落ちてくる~。テニスボールくらいかな~」なんて意外と冷静なもんでした。

13:35 剣山荘に到着。知らない人と「お疲れ様でした~」なんて言い合って到着。この後の写真、ほぼありません。

デポしたザックを持ってきて、宿泊受け付けと同時にまずはコーラ。

コーラを飲んだら寝床へ。ベットの2階だけれど端っこだぜ! やったぜ!

部屋の外の置き場にザックを置いて、カメラをしまって、、、俺のザック、でかすぎるぜ!

財布を持って食堂で牛丼注文。食べ終わったあとは速攻でシャワー。

そして寝床に横になったら、夕食の時間まで寝てしまいました。

17:44 アイフォンで撮影。晩飯はトンカツ。

食べ終わったあと、食堂で雑誌をみたりテレビを見たりしましたが、今回は特に誰とも親しく話すことはなかったので20時前には寝床につきました。ちなみに寝床は2つ隣まで誰もいない、快適な空間でした。


剱岳登山を振り返って

全行程の振り返りは3日目が終わった後で。

剱岳登山を終えたこの日の印象としては、大キレットを往復したような疲労度。

何しろ達成感を感じる剱岳山頂から戻ってこなくてはいけない。大キレットならどっちから歩くにしろ、ゴール地点に小屋がある安心感。水分も食料も得ることができます。しかし剱岳は下らなくてはいけない。下山するまでが登山です。

ただし時間を置いて思い出すと、朝飯を食べればずっと楽だったと思う

朝飯を食べていれば、特に下りでスピードが落ちることなく、その分行動時間が短ければ水分も十分あったはず。

そして出発時に折れていた心が無ければ、もっと楽しめた。

すべてはテントを崩壊させてしまった、張綱の甘さが反省の原点。

テントと飲料食料の2つの試練により少しだけ経験値が上がった気がします。

そして良かったこと。

剱岳は今まで登って来た山の中で、最もヤバく、半端なく、最高に楽しい場所でした。


次回最終回予告

朝陽に照らされる家路

新室堂乗越からの新鮮な景色

さよなら! 剱岳

次回『ロード・オブ・ザ・剱岳3 / 俺の帰還』 COMMING SOON!

【剱岳】ロード・オブ・ザ・剱岳2/二つの試練:SEASON-3 おわり

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です