【至仏山】SEASON-2:帰りたい気持ちを引き留めた尾瀬ヶ原


2017年7月1日土曜日と2日日曜日、尾瀬に行きました。至仏山に登ったのは2日の日曜日。

そして尾瀬山行翌週の週末、暑くて良い天気が続いています。もう梅雨明けちゃいそう。「今年の梅雨は1回雨が降っただけで終わっちゃうの?」という感じですが、その貴重な土砂降りの中、テントを担いで行ってきました。


山旅のしおり

行先至仏山(燧ケ岳も行きたかった)、群馬県利根郡片品村

ルート(予定):御池―燧ケ岳―見晴(テント泊)―山の鼻―至仏山―鳩待峠

ルート(現実)御池―(裏燧林道)―見晴―山の鼻(テント泊)―至仏山―鳩待峠

日程:2017年7月1日土曜日~2日日曜日(テント泊)

同行者:同行者の情報は果たして必要なのだろうか?

行先を決めた理由:夏が来ても思い出せなかった。生まれてから尾瀬に行ったことがない。7月1日は至仏山が開山。それならば、尾瀬ヶ原と至仏山&燧ケ岳を登りに行こう!

尾瀬・至仏山について

夏が来れば思い出す人が多いらしい尾瀬。群馬県と福島県にまたがっています。標高1400mくらいにある本州最大の湿原地帯で、保護された自然の中では多くの植物を見ることができ、トレッキングを楽しむ老若男女が押し寄せます。

夏が来れば思い出す尾瀬らしいのですが、水芭蕉の最盛期はまだ夏を実感できない6月。至仏山はゴールデンウィーク以降は7月まで登山禁止です。雪が多いことと植生保護のためらしいです。至仏山に登りたく、そして「水芭蕉ってなんだ?」という私には、7月1日の開山日がベストなタイミングでした。

至仏山日本百名山。標高2228mです。

登りオンリーの一方通行の登山道があります。麓の山の鼻からの登山道ですね。鳩待峠からも登れますが、帰りも同じルートを戻らなくてはいけません。私の辞書には「後退」という言葉は無いので、ここはやはり山の鼻から登りたいところ。しかしなぜ「山の鼻」って名前になったのか? もしも「山の花」であれば、「きゃーかわいー」「わぁーおっしゃれー」「ヨガやってるのよ~」なんて人が行く確率も高くなりそうだと思うのですが。

さて、至仏山と言えば尾瀬を語らずには話が進みません。

しかし私は尾瀬には行ったことがないのです。「なんか保護されてる」「湿原が広い」「水芭蕉がなんたら」「車で行けない」「山の上」この5つのポイントは知っていました。

尾瀬の湿原の名は尾瀬ヶ原。尾瀬ヶ原の広さを東京ドームに例えると8000個分という、まったくピンとこない数値が出てきますが、何しろ広いことには変わりない。

そこで尾瀬ヶ原をサッカー場に例えて説明します。フィールドである湿地帯を観客席のように山が囲んでいます。ゴール裏の観客席は、ひときわ目立つ山。群馬軍が至仏山でチームフクシマが燧ケ岳。群馬vs栃木ではありません。お互いのゴール間の距離は約6km。歩いて2時間くらいです。

今回私はチームフクシマゲートから入り、ゴール裏の観客席で電光掲示板がある一番高いところへ登ったあと、フィールドを見ながら観客席を下り、チームフクシマのゴールポスト前で一泊。翌日、フィールドのど真ん中をドリブルし、群馬軍のテリトリーに侵入。地平線から見える群馬軍ゴール向かい、シュートしないで右脇から観客席を登ります。目指すは旗とか立っていそうな一番高いところ。後は観客席の通路を「すんません。ちょっと通ります、すんません」と左方向に移動した後、出口ゲートまで下る予定でした。

チームフクシマのゴール裏客席最高峰は燧ケ岳(ひうちがたけ)。日本百名山で標高2356mは東北地方の最高峰です。

とりあえず山を始めたばかりの私としては、両チームのゴール裏に登りたところです。

旅の目的1 尾瀬ヶ原で夏の思い出づくり

事前の雨予報により、ひょっとしたら両チームの山が登れない。しかも至仏山はアイゼンが必要らしい。しかし尾瀬ヶ原なら雨でも歩ける。噂の水芭蕉を見たい! 木道を歩きたい! この目標が最低条件です。

旅の目的2 雨スキルアップ

事前の雨予報により天気は期待できません。そんな中、テン泊デビューしたGWの雲取山から2回目にして、雨でのテン泊がどんなものなのか実験してみたい。

旅の目的3 雪渓歩きスキルアップ

事前の尾瀬情報により至仏山はアイゼンが必要ということですが、私は持っていませんでした。と、いうことで買いに行きました。仕事の途中、新宿西口の石井スポーツに寄ると、親切に教えてくれました。前もこのお店で親切にいろいろ教えてもらったいいお店です。しかし前回同様、おススメしたい商品が売り切れ! ビックロの山専にはあるらしいので買いに行きました。

買ったからには試したい。雪の上をザックザックと歩きたい。試すということは、至仏山には登るということになります。

旅の目的4 2座登頂

事前の雨予報ですが、行ってみたら「天気予報はずれじゃーん。さすが俺、晴れ男だしー」ということもあるはず。優先順位の最後には、燧ケ岳&至仏山を両方とも頂きたく思います。

アクセス

2座を狙うところから計画はスタートします。

オーソドックスな方法は、沼田駅、または上毛高原駅からバスで尾瀬戸倉。さらに奥の一ノ瀬に行けば尾瀬沼経由で燧ケ岳。戸倉から別のバスに乗り換えて鳩待峠へ行けば至仏山。

しかし登山スタートが10時頃になってしまいそう。2日で2座は大変です。

どうしたものかと調べていたら、良いものを見つけました。

金曜日の夜に浅草駅を出発し、会津高原尾瀬口駅まで。そこでしばらく仮眠させてもらった後、バスで燧ケ岳の登山口まで連れて行ってくれます。朝6時に登り始められます!

それで5600円!

ネックなのは、出発5日前までが締め切りなこと。しかし「もう雨でもなんでもいい!」という私には問題ない。これで初日は燧ケ岳を目指し、2日目に至仏山に登って、後は適当に帰ってくることができます。

バスの終点は沼山峠という、尾瀬ヶ原トレッキングには最適な場所ですが、私は途中下車をして御池で下りました。

今回のメインコース

地図左下の御池から緑のルートが予定。しかし雨で断念する場合、水色の裏燧林道で見晴まで行き。テント泊をします。翌日はオレンジルートの尾瀬ヶ原縦断を経て至仏山へ。山頂から鳩待峠に下りる1泊2日、初心者が考えたルートです。

 出発高度:1511m   到着高度:1596m   合計距離: 24.3km   最高点の標高: 2308m   最低点の標高: 1399m   累積標高(上り): 1730m   累積標高(下り): 1648m 

見晴―山の鼻間の水平移動6kmが楽しそうだ。

【コースタイム】

06:00 尾瀬御池 – 07:00 広沢田代 – 07:50 熊沢田代 – 09:30 燧ヶ岳 – 09:50 柴安グラ – 10:24 ナデッ窪分岐 – 13:01 白砂峠(白砂乗越) – 14:11 見晴新道分岐 – 14:21 見晴(下田代十字路)(1泊)

06:00 見晴(下田代十字路) – 06:30 竜宮十字路 – 07:10 牛首分岐 – 07:55 山ノ鼻 – 10:25 2098m地点 – 10:55 至仏山 – 11:30 小至仏山 – 11:50 悪沢岳分岐 – 12:10 1921m地点 – 13:00 鳩待峠

とりあえず登山届用に立てた登山計画。いきなり変更するわけです。そもそも15kgほどのザックを背負い、雨や雪道、休憩時間がプラスされるであくまで参考です。山行だけに。


尾瀬山行

2座行く予定でありながら、優先順位の最上位には尾瀬ヶ原。「登山開始!」というよりも「尾瀬へ出発」という気持ちの方が強い。しかしあくまで登山。っつーことで尾瀬山行開始!

ワクワク登山口まで

23:37 6/30金曜日。プレミアムフライデーのこの日、浅草駅に着くと酔っ払いが大勢いました。コンビニで電車で飲むジュースと朝食のおにぎりを買いました。

23:44 これが尾瀬夜行23:55の列車。江頭2:50のように呼ぶのかと思ったら、読みは「おぜやこうニーサンゴーゴー」だって。

雨予報のおかげで乗客の入りは3割ってところでした。シートはリクライニングできません。75Lのザックを網棚に乗せるのは結構つらい。開いていたシートの下に置いておきました。

すると、前に座っていたオヤジがビールをぶちまけお遊びになられ、いつの間にか我がテリトリーに侵入。ザックがビールで濡れてる!

「何だこりゃ!」と慌ててみました。

しかし前のオヤジ、起きているのに、気づいているのに何の反応もなし。

揉めるのも嫌なので、車掌さんを探して席を替えてもらいました。で、前のシートもこっちに向けて4人掛けを俺一人。この電車、満席だったら辛いだろうな。シート倒せないから。しかし今回、4人シートに足を延ばし放題。

3:50 いつの間にか列車は到着し、時間になると車内に電気が付きました。

そもそもこんなどストライクな名前の駅があることも知りませんでしたね。

外は雨がザーザー降っています。

バスを並ぶ列。尾瀬夜行2355は完全予約制なので、必ず座れるバスがやってきます。しかし、並ぶ場所で屋根がない部分があったので、列に並ばずに雨宿りをしました。

4:11 バスが2台。ザックは車内持ち込みでした。

6:08 御池には5:50頃に到着しています。しかしこの雨。水を買ったりトイレに行ったり、出発を躊躇します。

ところで、もうここは尾瀬。ゴミ持ち帰りの尾瀬。電車で飲んでいたジュースの空になったペットボトルはもう捨てられません。駅で捨てれば良かった。

6:28 まだ躊躇していると、なんかロケをしていました。「がんばるぞー」「おー」とかやってるのかな。土砂降りなのに。

6:32 覚悟を決め、レインウェアフル装備で出発。久々にゲイターも着用。そしてカメラ、ここまですべてiphoneですが、一眼レフはザックの中で、この後もしばらくiphoneです。

登山届を出す場所を売店で聞いたら、「そんなのココにあったかな?」なんて言われてしまいました。タイミングよく福島県のお巡りさんがいたので、「登山届出すところがないって言われたんですけれど~」と言うと、「あれ? そこに無かったっけ。無かったか。あははは。それじゃ直接預かりますよ」って。

福島じゃ登山届はメールが一般的なのかな? みんなどうしているんだろう。

ムリムリ燧ケ岳敗退

6:33 登山口。どこだか分からなかったのですが、駐車場の奥にありました。

6:35 早速木道が始まります。さすが尾瀬。

6:36 燧ケ岳の分岐にきました。ここから4.5kmで山頂だそうです。見晴までは8.9km

白い花は無いけれど、これが水芭蕉。なんか有難みを感じません。いっぱい咲いてます。葉っぱがキャベツみたい。

6:51 登山道は当然濡れてる。でもまだいける。

6:58 登山道に水が流れている。でもまだいける。

7:07 音がすごいと思ったら・・・。でも登山道じゃないし。

7:08 いや、もう登山道がすごい流れ。でも・・・まだ・・・脇は登れる。

ここで上から単独女性が一人下りてきました。

私「もう山頂からですか?」

女「いいえ、無理だと思ってあきらめました」

私「・・・」

なにそれ。

7:11 尾瀬夜行で同じ車両で少し話した単独男性。予定コースが完全一致でした。スタートはちょっと私の方が早かったのですが、あっという間に抜かれました。

てか、この水の流れ、もうヤベェ! これでもここは川じゃねぇ。道だよ。登山道だよ。 

7:16 登る度に迫りくる水の流れ。

わずか30分ちょいでギブアップ宣言。先を行く単独男性に「私、もうあきらめま~す。お気をつけて~」と声をかけて私は降りる決断をしました。

山は生きてコソコソ。これではフィールできません。

7:20 さて、下りるのも大変だこりゃ。

8:10 分岐に戻ってきました。雨が小降りになっているような・・・。

シトシト裏燧林道

8:20 雨、止みやがった。しかしもはや戻ることはできない。人生何度もやり直しをしたいことがあるのに、好きなことやって戻るのはイヤです。

休憩ベンチでカメラをザックから出しました。

8:36 御池から裏燧林道を通り、最初に現れる湿地帯が姫田代。序盤中の序盤ですが、なんかここまで来るのに苦労した感があります。

8:52 また雨が降ってきたので、カメラをザックにしまい、傘を片手に歩き始めました。

ここら辺で対向する男性と出会うと、「熊がいた!熊がタケノコ食べてた!こっちに気づいて山の中に入っちゃったけれど」と教えてくれました。かなり怖い情報ですが「気をつけます」としか言いようがない。「じゃあ私も帰ります」って、なかなか言えない。これで襲われてニュースにでもなったら「自業自得」って言われるんだろうけれど、そう簡単に引き下がれないな。直接見るまでは。

9:07 さっきの燧ケ岳登りを見てきたら、これくらいの流れなんて平気へいき。何が怖いって濡れた木道ですよ。

10:11 裏燧橋(うらひうちばし)。足場が組んであって、でかいザックでムリムリ突破。

ここまでにすれ違った人は、熊のおじさんと夫婦だけ。

10:27 ここは木道なしで突破するらしい。お年寄りのお気楽ハイキングってレベルじゃねえな。少なくとも、去年の金峰山で渡渉に10分かけたときの倍以上の水流がありました。金峰山のときと違うのは、もう靴のまんまジャブジャブと水に浸かっても平気だということ。もうすでに靴の中はびちょびちょだし。

この後、単独男性とバラバラで2人すれ違い。二人とも、そして私も最初にすれ違った人に「お! 久しぶりの人だ!」と声が出ました。今日は孤高のトレッキング。自分を見つめ直すには、もう一人の自分に語りかけるには最適な日です。

11:08 三条の滝との分岐までやってきた。御池から、わずか5.5kmというところが泣ける。なんだ?この遅さ。

濡れてるし、グローブはぐちゅぐちゅだし、手はふやけてるし、寒いし、腹減るし・・・。

三条の滝の看板を見ても、当然ながら「行ってられるか。ボケ」と、頭の中では悪魔が暗躍。

本気で「もう帰ろう。熊さんと出会ったら帰ろう。この際、元の御池に戻ったっていい!」とまで考えました。

11:56 ようやく見晴が近くなってきました。

ここら辺からは頭の中の天使が少し盛り返します。「尾瀬ヶ原を見ずに帰れるか! 帰るなら尾瀬ヶ原を見てから!」と、1時間前よりも随分と前向きになっています。きっと、道中に咲くお花たちのせいだ。

12:32 おそらくさっきの分岐から5分で無料休憩所。ここで昼飯。クッカーを出してラーメンを・・・ってのも面倒くさくてカップヌードルを、そしてネクターを買いました。お店のおばあさんに聞いたら、今日はお客さんは全然こないらしい。

食事の後、長袖シャツとTシャツを着替えました。

12:38 無料休憩所を出発してすぐ、全力で転びました。お尻が割れました。こんなコケ方をするのも久しぶり。「さて、見晴まで行ったら、どうやって帰ろう。もう今日はおうちで寝たい。もう濡れたくない」そんな思いで歩きました。

見晴には13時ちょうどに到着。

ここで標準コースタイムを確認します。

8時に御池登山口をスタートし、温泉小屋の無料休憩所で20分ほど、いや多めに30分と言っておこう。

所要時間4時間35分。見晴到着予定は12時5分。

現実の到着は13時頃。ほぼ1.3倍

進んでいた実感、無いもんなぁ。燧ケ岳分岐からすぐの姫田代まで、随分長く感じたもんなぁ。

ツルツル尾瀬ヶ原を突っ切る。

見晴に到着し、地図を見ながらしばらく悩みました。

Q.予定通り見晴でテン泊するか?

A.もうおうち帰りたい。そもそもテン泊するのに時間が早すぎる。

Q.ではどこへ行くか?

A.最寄のバス停。沼山峠までCT(コースタイム)4時間半。一之瀬まで5時間。富士見下まで5時間ちょい。鳩待峠まで3時間15分

最も遠いと思われた鳩待峠へは、標高差の無い尾瀬ヶ原の縦断があります。本当は、朝靄の中を縦断するつもりだった尾瀬ヶ原ですが、今日はこのまま突っ切ることにします。帰りたいから

まずは尾瀬ヶ原の群馬軍の端である山の鼻まで6km、2時間を歩くことにしました。

13:15 進行方向には至仏山が・・・、あんまり見えない・・・。

カメラをザックにしまった今回、iphoneが大活躍です。水平が取れていなくたっていい。胸ポケットからサッと出してサッと撮れることもできる。そう、iphoneならね。

iphoneなら一眼レフと違って、exifデータに緯度経度、そして高度まで情報があります。今回初めて知りました。ブログに掲載する写真は、全部exifデータを消して圧縮しております。

なんだかよく分からないけれど、葉っぱが元気。

振り返ると燧ケ岳が良く見える。小屋っぽいところが見晴です。

13:35 ここよりグンマー。万全な注意を払いつつ、私は群馬県境を超えます。

群馬県に入るとすぐ、竜宮小屋があります。海の無い群馬県でなんとも素敵な名前の小屋。竜宮城っぽい小屋を想像していましたが、いたって普通。iphoneで写真を撮ることすら忘れるレベル。てか、よそ見してたら足を滑らせるレベル。てか滑らせた。またお尻が割れた。

尾瀬には竜宮現象と呼ばれる水の流れがあるそうです。ちなみにウィキペディアには竜宮現象の項目がない!

竜宮現象とは川の流れとは別に、地面に水が潜り込む道があり、そこで濾過され、どこかでまた噴き出るってことらしい。

13:48 そんな竜宮現象を見るために、木道が整備されていたので遠回りしてみました。

まぁね、水面は雨降りで波紋だらけだし、地面に吸い込まれるところにはクルクルと回る落葉だらけでした。

竜宮現象とは、見た目でどうこうではなく、水の流れを想像するもの。そう考えると興味が湧きます。

14:01 ただね、雨の中で見るいろんな花がとても綺麗なんですね。晴れていたらもっと気分良いだろうけれど。

14:25 ここら辺は赤い花。多分レンゲツツジ(蓮華躑躅)。他にもワタスゲゾーンやアヤメゾーンなど、たくさんの花が咲いています。

14:27 至仏山が見えました。結構感動。晴れてたらもっと感動してるはず。

14:30 振り返ると燧ケ岳。晴れていたら「逆さ燧」が見れる場所らしいです。

しかし雨降っていますけれどね、ドンドン気分がノッて来るんです。一々小さなお花に目を止め、山を振り返り見て、なんか楽しくなってきました。

打ちのめされた心を癒す尾瀬の花

もう帰りたい。雨なんて嫌いだ。

そんな気分を忘れさせてくれた可憐な花たちを紹介します。名前を調べてみましたが、確信は持てません。

The Ozeの異名。ミズバショウ(水芭蕉)

コバイケイソウ(小梅惠草)だと思う。

こいつは分からん。ウワミズサクラ(上溝桜)なのか?

でも垂れ下がってるし。ブラシっぽいのでブラシ花ってことにします。

ひょっとしたらウラジロヨウラク(裏白瓔珞)

わからん。良く見るタイプの花っぽいけれど綺麗だったんです。「普通に綺麗な花」ってことで。

ヒメシャクナゲ(姫石楠花)。コイツは私の中で一番気に入った。最初は造花かと思いました。管理人が「ちょっと湿原に色が足りないな~。コイツでごまかすか」って挿したものかと思うくらい。竜宮の後で見始めて、それ以降、コイツを見る度にノッてきました。

帰らなかったのはコイツのおかげと言っても過言ではない。

ワタスゲ(綿菅)。コイツに限っては、雨の日は残念以外の言葉が見当たらない。まるで耳かきの後ろのフワフワをお口に入れて湿らせたような感じになっています。子供の頃、やった人いるはず。

 

オオカメノキ(大亀の木)。中のツブツブが本当の花で、目立っている5枚の花弁の白いヤツはダミー(装飾花)らしいです。装飾花とは、花粉を運ぶ虫を呼び込むためのウソの花らしい。まるで若くて綺麗な姉ちゃんが「相談に乗って欲しい」って声をかけてきたから着いて行ったら、後から背広の兄さん登場でマシンガントークされた後に英会話の教材を買わされるパターン。


テント泊からの至仏山

泊まりの時は、日付ごとにブログを分けるつもりだったけれど、写真も少ないし一気に書く。

ビショビショ山の鼻でテン泊

15時頃に山の鼻の至仏山荘に到着しました。

もうビショビショだし、寒いし、振るえるし、手はふやけるし、傘は閉まらなくなっちゃってるし。

でもなんか、尾瀬ヶ原のおかげ、ヒメシャクナゲのおかげで前向きな感じになってます。興に乗ってしまっているんですね。したがって、

水曜どうでしょう名セリフステッカー(ここをキャンプ地とする)

泊まることにしました。至仏山荘で受け付けをして、ビショビショの中でテントを広げます。

15:29 一応水はけの良さそうな所を選んだつもり。しかしこの日、10張りくらいいましたが、誰も私の近くには来ませんでした。何が悪かったのか分からない。傘は柄を短くしたのではありません。ぽっきり折れたのです。テント張りと同時にご臨終です。

翌朝までの回想

写真は翌朝まで一切ありません。

夏が来ればこれから思い出すのは、遥かな尾瀬で震えていたことでしょう。

乾いた服に着替えたい。

最初のTシャツと長袖シャツはお昼に着替えたので既にビショビショ状態で袋に入っています。帰りのお風呂セットには下着のパンツ、ズボン、シャツ、靴下が入っていますが、これはまだ使えません。今、使えるアイテムは、Tシャツ(至仏山荘で購入)、長袖シャツ、靴下、タイツ。

パンツがない! もうパンツ、ビショビショよ!

できれば明日の至仏山を可能な限り万全な体制で行きたい。「このまま寝ちゃえば、乾いちゃったりしなくね? 着干しとか言うし」。そう思い、寝袋に入ってお昼寝をしました。ザックに入れてあったマットも濡れています。

1時間後、体の震えと共に起きました。

寒い。もう寒くてやってらんねぇ。

至仏山荘にはお風呂がありますが、入ったところで乾いた着替えが上半身分しかない。

まずは緊急措置として、上半身だけTシャツと長袖Tシャツを着ます。

「そうだ! なんか食えば体が温まるはず!」

5時頃、夕食にすることにしました。が、屋根のある自炊場は団体でいっぱい。一人くらい入れそうですが・・・、なんか入りずらい。

幸い雨が上がっていたので、テントの近くにある丸太の上で食事にします。メニューは棒ラーメンとコーヒー。メスティンを買ったのでお米を炊きたかったのですが、尾瀬山行直前に仕事やら何やらゴタゴタして、一度も実験していないので持参しませんでした。ちなみに、未だに自宅で実験していません。

食事後は体が温まりました。

8時前、「レインウェアの意味、あったの?」って感じのビショビショズボンを脱ぎ、パンツで寝袋に入ると快適に眠ることができました。

To the Buddha

朝、4時前に目が覚めました。雨の様子はありません。しかし思いの外、寝袋がヌクヌクで二度寝を決めます。

朝6時。そろそろ行動を開始しようとトイレに行きました。トイレから出てきたら、土砂降りになっていました。

天気は目まぐるしく変わり、降ったりやんだり、激しかったり優しかったり、緩急織り交ぜて攻めてきます。

まずは着替え。ズボンは昨日のやつ。少し乾いている。パンツは昨日より着干しになってる。そこでタイツ登場。濡れたズボンが地肌に接しないだけマシ。今日はグローブなし。

着替えを終えたら寝袋。前回からの成長として、コンプレッションバックに入れてきました。寝袋を適当に突っ込み、さらにドライバックに入れた濡れた衣類も一緒に突っ込んで、ギュウギュウに締めあげてやります。

マット。コイツは空気を完全に抜いて小さく小さく丸めてやらないとしょうがない。俺、がんばった。

テント。雲取山の時のように、丁寧に畳んでいる時間はありません。フライシートはゲイター用だったスタッフバックに押し込みます。本体は元のテント用の袋へ。フライが無い分、苦労せずに収納できました。骨組みは三脚と一緒にザックのサイドポケットへ。

すっかり忘れていた傘。もうすでに柄が折れてしまって使えない。ビニール袋に入れてザックにしまいます。

重い!

一体、何キロあるんだ? ビショビショの衣類にテント。20kgは超えてたと思うよ。

 

6:50 さようなら。山の鼻。中々いいテント場だったよ。今度は晴れの日に来たいね。

出発時、雨は上がっていたので、カメラはショルダーにくっつけます。

6:54 至仏山に向かうと光が射してきました。いざ! To the Buddha !

振り返ると燧ケ岳がスポットライトを浴びている。

6:59 さあ、ここから「撤退」はできません。なぜなら一方通行だから。

樹林帯の登山道は水が流れています。でも昨日の燧ケ岳ほどではない。余裕です。雨も降ってないのでレインウェアをしまいます。

7:47 「ここが森林限界です」ってご丁寧にありがとう。この先、木が雨を遮ることはありません。タイミング良くここで雨が降って来たので、ザックにカメラをしまったり、レインウェアを出したり。

7:58 振り返ると尾瀬ヶ原というフィールドにスポットライト。

8:18 至仏山と言えば蛇紋岩。滑ることでお馴染みです。コイツが雨という最高のタッグパートナーと出会うと、それはそれはツルッツルのツルツルです。

最高のタッグチーム。ビッグボンバーズさん。

8:57 鎖もありますが、ツルッツルには変わりない。もう信じるのはビブラムだけ。しかしビブラムも木道の前では戦闘力は皆無。

9:08 延々と続く木道の階段ゾーン。ビブラムには今、最高のパートナーが必要である。

10:05 木道の先はついに雪で埋もれてしまいました。ここで買ったばかりの軽アイゼン登場。

しかし進行方向は霧に隠れ、先行者も見えない。

軽アイゼンはザックザックと進めます。快調です。楽しい。

調子良く登っていると、上から大学生3人組が声をかけてきました。「こっち、ルートじゃありませーん」って。

危ないところでした。同じく間違えた人が先にいて本当に良かった。私は彼らの後ろをしれ~っと着いて行きます。すると私の後ろにも、同じく間違えた人が続いてきました。

10:35 「え!? もう終わり!?」と言う感じで至仏山山頂に到着。前が見えないので、気が付いたら山頂って感じ。もっと雪の上を歩いていたかった。

至仏山は登ることが出来ました。ニャー!

つるつる下山

山頂に10分ほど滞在した後に下山。何にも見えないし。おばさん(ヤマダム)から普通に話しかけられるし。てか、軽アイゼン付けたときからすっごいフレンドリーに話しかけられています。

ヤマダムグループのリーダーは男性なのですが、私と同じような色のジャケット。私の声を聴いた瞬間「あ! ごめんなさい。間違えちゃった!」ってことなんですね。もう慣れました。

ヤマダム1「全然景色見えないね」

私「そうっすね」

ヤマダム2「どっちに行くの?」

私「上でいいんじゃないですか」

ヤマダム1「あー、疲れた」

私「がんばりましょう!」

全部、私が答えた後にヤマダムは人違い気づいています。それだけ山頂、そしてそれまでの道は視界が悪かった。最後に間違えの元になったリーダーと言葉を交わしました。帽子も似ていました。ヤマダム達には最後に「付いて行って安心感あれば正解。危なっかしかったら私ですから間違いですよ」といってお別れしました。

11:09 雪はないのですが、風がすんごい。大柄な私が何度も風に煽られ、素で「おわぁぁぁぁ」と叫び、ストックにしがみついたりしていました。

11:29 To the Little Buddha. 私を追い抜いて先行を行く人は、前日に尾瀬夜行から一緒で燧ケ岳でバイバイした人でした。靴に荒縄を巻いてあります。今度、真似しよう。

11:39 下りの雪ゾーン。アイゼンは履かず、ズリズリと滑り下りました。油断するとルートを外れそうで怖かったです。

木道&雪のタッグに攻撃を受け、またまたお尻が割れました。

木道すれすれのところの雪は氷になっていますから注意が必要です。

11:58 笠ヶ岳方面への分岐。岐阜の笠ヶ岳ではありませんよ。

BSフジ絶景百名山「燧ケ岳」より

12:25 良い景色だ。なんて見とれてると危ない。危険な木道を歩いています。鳩待峠まで2回ほどお尻が割れました。

13:13 鳩待峠の登山口に到着。

ここで戸倉までのバス券を買います。980円。バスは1時間に1本ほどあるのですが、その間に人数が揃ったら随時乗合タクシーが利用できるようでした。運転手さんに聞いたら、バスとバスの間で4本から5本、乗合タクシーが出るそうです。

ぜひ知っておきたいこと!

戸倉に下ると、高速バスや路線バスに乗り換えたり、車で来た人は駐車場に行くでしょう。温泉もあります。しかし!戸倉にはお土産屋は無いと言っていいレベル。お土産を買いたい人はここ、鳩待峠で買っておいた方がいい。

手前の建物はバス乗り場の窓口。奥の建物は温泉。タクシーの運転手さんに温泉で降ろしてもらいました。

日帰り温泉「戸倉の湯」

日帰り温泉「戸倉の湯」

  • 料金: 入浴料 大人500円、小学生200円
  • 時間: 10~18時(冬期は12~19時)
  • 休み: 【夏期】第2・第4水曜日

    【冬期】毎週水曜日

  • TEL: 尾瀬戸倉観光協会 0278-58-7263

まあ、普通の温泉。建物の立派さに比べると「どうした!?」というこじんまり加減。しかし露天風呂がある。そして500円という料金。アリです。

温泉で体を洗おうとしたら、隣の人に話しかけられました。尾瀬夜行の人だ! お風呂から出た後、いろいろお話を聞きました。尾瀬夜行の人は、高速バスで新宿までらしい。私は上毛高原まで行って新幹線。ここでお別れです。私が乗るバスの方が先に来たので、尾瀬夜行さんはバス停で見送ってくれました。


尾瀬山行を終えて

 

 

携帯の万歩計のデータ

1日目(7/1) 2万8836歩 24.23km

2日目(7/2) 1万7529歩 14.71km

合計(2日間) 4万6365歩 38.94km

今回の収穫と反省

1.雨の経験値が上がった。

尾瀬の良さは抜けるような青空があれば、それは素晴らしかったと思います。雨でも尾瀬ヶ原を歩くうちに気分がマイナスからプラスへ持ち直したくらいですから。

でもここで雨の経験、良かったと思います。木道の怖さ。登山道の荒れ方。テントの設営と撤収。パッキングの仕方。必要な着替えの把握。そのどれもが完全に未熟でしたが、次回は少しだけ、今回よりも快適に振舞えそうです。尾瀬夜行さんがやっていた、荒縄を靴に巻くのもやってみよう。

2.雪山へのあこがれ

6本爪の軽アイゼンとは言え、今回初のアイゼン。雪道の直登は好きみたいです。ますます雪山への憧れが膨らみますが、そのためには雪山用の登山靴、ピッケル、12本爪アイゼン、そしてウェア一式が必要。経済的問題が現実世界へ引き留めます。でも残雪期とか、積極的に行ける気分になったかな。

3.植物への興味

尾瀬ヶ原の植物。そして霧と強風の中を耐え忍ぶ小さな花。なんかガツガツと登るより、一歩一歩見つける植物に興味が湧きました。特にヒメシャクナゲ。こいつはもう忘れられない。

雨山行から帰った後のこと

帰宅後はダッシュで洗濯機を回しました。いつも通りです。

テントは晴れ間をみてベランダに設営して乾燥。完全に乾かせばたくさんくっついてきた小さな葉っぱも簡単に落とせることを知りました。

寝袋は一度干してフカフカにしましたが、念のために乾いた後、ファブリーズをしてもう一度カラッカラに乾燥

靴は、手入れの方法をググると多くのサイトで「中は固く絞った布で拭く程度に」なんて書いてあります。それじゃあだめだ。もう雨で濡れて臭くてしょうがない。

 そこでぬるま湯に気持ちだけお風呂用洗剤(シトラスの香り)を入れ、完全に靴の中を浸して1時間ほど放置。その間に臭い成分がお湯に浮いてくるかな~、なんて発想です。周りはいつも通りゴシゴシ。「ゴアは痛むから優しく・・・」なんて書いてあることが多いのですが、その優しさの程度が全く分からない。だからゴシゴシ。心の隅に「優しく」という意識だけ持ってるから、ゴシゴ・・・で終わる感じ。乾燥させるときは丸めた新聞紙をこまめに取り換える作戦を実行。2日間ベランダで乾燥させるうち、2日目の朝にはファブリーズも施しました。

 ちなみにブラシは靴用の普通のやつ。実は前回まで、靴用だと思っていたブラシは排水溝用だということを嫁に聞き、しょんぼりしました。

ザックは表面の布の汚れを靴用のブラシでゴシゴし落とし、特に底の方はジャブジャブと洗いました。

レインウェアは洗濯機で洗った後に脱水しないで陰干し。乾いてからの乾燥機。

そして靴、ザック、レインウェアに対して一通り乾燥まで終わった状態からの~、撥水スプレーをビタビタに吹き付け、ザックと靴は自然乾燥。レインウェアはさらにさらにの乾燥機。撥水スプレーはほぼ使い切る。ほぼってことで、気持ち残ってるらしいけれど、これが微妙に残ってしまいました。

こんな感じで対応しましたが、「あ~あ、ダメだコイツ。やっちゃった」ということがあったら教えてもらえると助かります。

尾瀬の地図

マップケースに入れていたから、地図は濡れたけれど大丈夫。でも地図と冊子を入れるケースはヨレヨレになってしまいました。

こんな本が不要になるくらい、また行きなぁ。燧ケ岳も登らないといけないし。

【至仏山】SEASON-2:帰りたい気持ちを引き留めた尾瀬ヶ原 おわり

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【至仏山】SEASON-2:帰りたい気持ちを引き留めた尾瀬ヶ原” への2件のフィードバック

  1. 思わず引き込まれる楽しい文章に読み耽りました。またいつかどこかでお会い出来るのを楽しみにしてます。

    1. コメントありがとうございます。
      私もあの状況で燧ケ岳に登れるような経験値を早く積みたいと思います。
      また山で会いましょう。

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