第2登【立山ー前編】SEASON-O:念願の立山黒部アルペンルート


前回の富士登山から1カ月後の9月22日、23日、24日のシルバーウィーク期間。

私は立山の稜線に立っていました。

この1カ月、前回の反省を踏まえいくつかの登山用品を新たに用意。

向かったその先には、富士山にはなかった稜線歩きと紅葉の風景。そして富士山同様、風が無音の世界と忘れられない景色を乗せて身を包みます。登山が好きなことを確信しました。

序章であるSEASON-Oはここまでの2座。前回に引き続き天候にだいぶ恵まれた山行です。


立山について

立山とは雄山(おやま:3003m)、大汝山(おおなんじやま:3015m)、富士ノ折立(ふじのおりたて:2999m)の三つを総称した名前だそうです。立山三山は、この立山プラス浄土山(じょうどさん:2831m)、別山(べっさん:2880m)のことを言うそうです。

雄山は美食倶楽部的な何かと読み方は違います。

立山を選んだ理由

ガイド本に「初心者向け」と書いてあった。

富士山に近い3000m前後の標高で、登山の醍醐味を再確認したい。

黒部ダムの観光放水が見たい。

 まずは登山のことを右も左もわからない僕にとって、「初心者向け」という言葉は必須。トコトコ歩いていればオッケーであり、また僕と同じような初心者がいれば非常に心強い。

 そして富士山と同様、森林限界を超え、風に身を包まれる心地がどんなものだったかの再確認。と言えば聞こえが良いが、単純に一度覚えた登山の気持ち良さをもう一度味わいたい! あの感覚が、忘れられねぇんだよぅ。

 最後に、かねてより僕の一人旅で行きたい場所ランク上位にあった黒部ダムfeat.立山黒部アルペンルート。2回目の登山には、立山以上にふさわしい場所はなかったのでした。

旅のしおり

日程

2015年9月22日(火・祝)、23日(水・祝)、24日(木)

この年のシルバーウィーク期間は水曜日まで祝日で木、金がカレンダー平日。「日本一高所の天然温泉」というみくりが池温泉に宿泊したくてネットで空室検索。すると祝日で空室があった日は23日のみ。迷わず予約。木、金はどうせ仕事しないだろうし。

 2泊目を23日を決めたことで初日の一の越山荘を予約。こっちは生粋の山小屋。富士山の悪夢が思い出されます。予約のときに1週間後の混雑具合を尋ねると「まだ大丈夫ですよ」。この「まだ」が、どのレベルを指すのかかわかりませんが、野宿するわけにいかないので予約しました。

登山口までの行程

自宅→(北陸新幹線)→長野→(シャトルバス)→扇沢→(立山黒部アルペンルート)→室堂

立山黒部アルペンルートは長野県の扇沢から富山県の立山まで。黒部ダムは扇沢からが近いので、扇沢から行くことにしました。

 多くのガイド本では、信濃大町からのシャトルバスが紹介されていましたが、扇沢への到着が遅い。乗換案内のサイトでは大体11時着。

 いろいろ調べたら、10時に扇沢到着の長野駅発の特急バスがありました。心配なことは混雑具合。満員で「次のバスまで待ってね。2時間後だけれど」はイヤだ。バスの営業所に電話で問い合わせると「満員なら増車するので乗れないことはありませんよ。22日なら大丈夫じゃないかな~」っと教えてくれました。これで朝一番の北陸新幹線で長野経由のルート決定。扇沢まで行ければ、まあ問題ない。そう思っていました。

登山行程の予定

立山三山縦走です。

雄山は地元の小学生も登るらしい。そんなチョロイ登山は登山じゃない。ガイド本には「雄山を過ぎると登山者はまばら」と書いてあります。折角だからと雄山、大汝山、富士ノ折立を超え、大走りで雷鳥沢へ下山という道もあるらしい。しかしこれも折角なので、大回りをする立山三山縦走だ。なにより縦走という響きが良い。 

1日目 室堂→浄土山→一の越山荘 

初日は室堂から浄土山経由で一の越山荘まで。それだけです。「室堂から一の越山荘直行で1時間。浄土山経由で1時間40分。その差40分は大したことないだろう。浄土山をウォームアップにすれば、2日目から安心だろう」。シルバーウィークのアルペンルートの混雑。そして浄土山を完全に舐めていました。

===== ここから後編 ====

2日目 一の越山荘→雄山→大汝山→富士ノ折立→真砂岳→別山→雷鳥沢→みくりが池温泉 

いよいよ雄山へ。朝飯は抜きで暗いうちにスタートして富士山のスリルをここでも味わおうと予定しました。雄山では忘れちゃいけない御朱印。それ以降はまっすぐ道なりに行けばオッケーなはず。朝飯は山小屋でお弁当をもらい、適当なところで食べれば問題なし。コースタイムを見れば、5時に出発すればお昼前に到着する。このとき、まだ自分の足がひどく遅いこと、そして休憩の概念がありませんでした。

3日目 みくりが池温泉→玉殿岩屋→室堂→(立山黒部アルペンルート)→富山⇒自宅

最終日は行き当たりばったりで、玉殿岩屋と日本最古の山小屋である立山室堂山荘は行ってみたい。あとはフリー。弥陀ヶ原湿原を歩いても良いし、室堂からまっすぐ富山に行ってもいい。初心者らしく余裕のある行程

 

持ち物(新たに購入した登山用品)

【ウェア】

:キャラバンc1-02 、靴下:靴と一緒に買った2足で1000円くらいのやつ、アンダーシャツ・パンツ:モンベル ジオライン 、長袖シャツ:モンベルの秋葉っぽいシャツ、グローブ:サロモンのフィンガーレスのやつ 

【道具】

ザック:グレゴリー スタウト35 、ポール:ブラックダイヤモンド ウルトラマウンテンFL 、カメラ用ウェストバック:Lowepro  インバース 100AW  、三脚:MeFOTO  2段三脚 、地図

それぞれのアイテムの詳細は別途ブログに書くとして、よく富士山から1カ月でこれだけ買ったなぁ。これ以外にも、100均でNINTENDO 3DS用のカバーをマップケース代わりに買ったり、娘からカレーパンマンの小銭入れを借りたり、靴擦れ用に普通の絆創膏ではなくキズパワーパッドを買ったり、それら医薬品を入れる赤いポーチを100均で買ったり。これだけでも富士山からの1カ月は山のことばかりになっていることが分かります。

 


1日目 9月22日火曜日

黒部ダムを観光できる室堂まで

6:16発のかがやき501号に乗ります。初めての北陸新幹線です。長野までですが。

 なぜか携帯で撮影した車内の写真はサムネイルしか残ってない。私は細かいことを気にしないスタイル。

 長野駅に7:38到着したかがやき501号を降り、ダッシュでバス停へ向かいます。バスのチケットは1階バス停前の売店内で販売していましたが、最初は見落として焦りました。電話での問い合わせ通り、満員で乗れないことはなく、しかも増車もなくて思ったよりも(僕の隣には誰も座らないレベルで)混んでいませんでした。

 10時頃に扇沢に到着すると、長野駅のバス停で抱いた期待を大きく裏切る混雑っぷり。家族連れはとりあえずお母さんが並び、お父さんが偵察、子どもは自由、ってフォーメーションを組んでいます。しかし単独の僕は「こりゃヤバい!」と思って分けわからなくとも列に並びます。僕の前に並んでいた家族のお父さんがどこからかやってきて、奥さんに「この列で良いみたい」と伝えるのを聞いてホッとします。

10:11。列が進みトロリーバスのチケット(僕はその後の室堂までのチケット)を購入した後、みんなダッシュしたので僕もダッシュ。改札で写真を1枚撮りましたが、ボケボケ。でも時間は10:33。この写真の状態から20分で改札なので、結構流れは良いです。後ろには続々と新たなバスから人が押し寄せます。

 

 関電トンネルトロリーバスで黒部ダム駅まで16分。降りると道は地下道内で2つに分かれます。一つは黒部ダム。もう一つは黒部ダムの展望台へ続く登りの階段。念願の黒部ダムを見るため、もちろん階段のある展望台へ。 

 

11:00 地下道を抜けると放水していました。虹もかかってます。でかい。展望台から降りる階段はずっと外なので、どこでもダムを見ることができます。

 

11:37 ダムまで降りてきました。見上げると立山。雲一つない晴天。

 昨日まで立山三山を縦走してきて、今日下山の途中に黒部ダムに寄ったという登山者とちょっと話をしました。すると昨日の稜線上は雲の中で、「どの写真も真っ白だよ」と。今回の山行も天気に恵まれているようです。

 

真上から虹。

 

11:50 念願だった黒部ダム鑑賞は終了。次のケーブルカー駅へ向かいます。

 

ケーブルカーって、乗ったこと無かったんですね。

ケーブルカーがやってきました。乗車列の先頭です。車内もホームも階段ですね。構内はフラッシュ禁止です。

 

12:00 先頭の窓に張り付きます。座りません。前方を撮影するためにガラスの反射を抑えようとした左手が映り込んでしまいました。車内は混みすぎてカメラを向けられません。

ケーブルカー黒部平駅に到着すると、次はロープウェー黒部平駅へ。整理券は1時間後の出発でした。

 

暇なので外に出て、景色を愛でます。

ロープウェー駅舎の屋上は展望台。山並みを愛でます。

また駅舎の外に出て、紅葉を愛でます。

13:10 やっと乗れます。1時間待って乗るのは7分。

 

13:29 すかさず次を急ぎます。最後は立山トンネルトロリーバス。10分ほどの乗車です。ここは特に待つことなく、すぐに乗れました。バスはジャンジャン走ってます。

 

 昼食は室堂ターミナルで取ろうと思っていました。しかし、レストラン立山は13時30分でまさかのラストオーダー。室堂到着は12時頃を予想していましたが、2時間もオーバー。

 しかし富士山の「五合目に着いてカレーをのんびり食べてたから高山病対策ができていた」という学習のもと、スタートが何時であろうと昼食をとります。

立ち食いソバで白海老のかき揚げそばを食べました。

室堂ターミナルでは自宅でプリントアウトしてきた登山届を出します。富士山のときは出さなかったなぁ。登山届のポストには、最近の遭難情報があり、死亡もあったりクマ目撃もあったりでちょっとビビります。

 

14:09 やっと室堂の地上にでました。雲はありますが、おおむねいい天気。ガイド本に書いてあった「まずは湧水を汲む」を忠実に守ります。初心者なので。そしてモタモタとストレッチをして出発の準備をします。初心者なので。

 ここで一つ思い出。

 観光地に行くと家族連れをたくさんみます。そして子どもは結構な割合で3DSなどゲームをやってたりして、とても残念な気分になることが多々あります。

 ここ室堂でも見かけました。盛り上がっているのは大人だけで、子どもはうつむき加減という構図。また3DSでもやっているのかと思ったら、その子供はけん玉を持っていました。

 そして、超うまい。

 ふり剣とかうぐいすとか、かつてマクドナルドのけん玉で腕を磨いたレベルではありません。紐の部分を指に引っ掛けてブンブン本体を放り投げ、キャッチするときには玉が剣先に刺さってる。

 3DSだと残念な気分になり、けん玉だと素直に関心する具合、年齢を重ねた証拠だと感じました。

 

浄土山から一ノ越山荘へ

14:30 出発。そしてすぐにこの景色。ナニコレスゴイ!

真正面に見える山が・・・

雄山

今日はちょっと周り道して浄土山です。

 

浄土山、すごく、大きい、です。

地図を見ただけで勝手に浄土山のことを「ウォームアップ」とか思っていました。浄土山ごめん。「一の越まで直行しちゃおうか」と本気で考えました。

 

ここが浄土山と一の越への分岐。14:45時点でまだ迷っています。「ちょっと登って、無理そうなら戻るか

 

15:20 なだらかな道をハアハア言いながら登ります。

 娘(20代推定)2人&母(50代推定) の一行と同じタイミングで登りはじめ、母(50代推定)と完全にペースが同じ。いつの間にか展望台と浄土山の分岐まで来てしまいました。もう戻ることはできません。娘たちはそのまま展望台へ。母親は「ここ(分岐地点)で娘を待ちます。展望台は行かない。行けない」と言っていました。僕は浄土山へ登ります。後ろからは軽装な20代前半の山ガールが展望台へ休みなく登っていきます。

 ここまでの辛さは、ハアハア言いながら持久走的なしんどさ。

 ここからは1歩が急だった辛さの記憶があります。腰高の岩をよじ登る感じ。

 途中、一組のフレッシュな親子とすれ違いました。まず真っ先に小学校低学年くらいの子どもが単独で降りてきて、その後をハアハア言いながら赤ちゃんをおんぶしたフレッシュなお父さん。そしてフレッシュなお母さんが降りて来ます。お互いに声を掛け合うと、お父さんが「厳しいですね。まだこれ続きますか?」。厳しいのは僕だけじゃないことに安堵しますが、その後、お嬢さんに「わたし、全然平気だよ」。子供スゴイ。まじスゴイ。

 僕は浄土山の目安、軍人霊碑までの所要時間を聞くと「あと15分くらいですかね」と。ヤル気がでます。

16:10 分岐から40分。フレッシュ親子から20分ちょいかかりました。展望台へ行った山ガールには、軍人霊碑に到着する前にぶち抜かれています。気が付くとポケットに入れていたサングラスがなくなっていました。

 

軍人霊碑からは登りなし。雄山山頂には建物が見えます。

雄山め! 

富士山に引き続き、ケルンがあったら写真を撮るスタイル。

 

浄土山から雲海

雲海が広が広がります。

 

登らなかった龍王岳。登れば良かったけれど、この時はどうやって登って良いのか分からなかった。

 

16:34 富山大学立山研究所。だと思う。浄土山の見どころはこんなところ。ここから下りで一の越山荘へ急ぎます。

 浄土山では山頂到着前に山ガールにぶち抜かれて以来、誰にも会うことがありませんでした。15時過ぎたら、浄土山へ向かわずまっすぐ一の越山荘へ行くのが初心者なんじゃないか、普通は浄土山へは登らないんじゃないかと不安になります。「山を舐めるんじゃない!」って山小屋で怒られるかもしれないと本気で思いました。

そんな中、向かいに見える雄山の稜線をよーく見ると・・・。

よーく、よーく見ると。

ポツポツと人の粒が見えます。

 雄山は人気があるから人も多い。まだ行動している人は普通にいる。浄土山は人気がないから(勝手な想像)人が少ないだけ。行動している人がいても不思議じゃない。

 そんな自己暗示をかけながら一の越山荘を目指します。

 

16:58 一の越山荘に到着。「すみませ~ん。遅くなりました~」と反省の意を表しながら受け付けするも、普通な対応。受け付けしている間、うしろからドヤドヤとおじさんたちがやってきます。ビリ到着ではなかった。

 ここで部屋の写真を撮った記憶があるのですが、データに残ってません。つまらないので、いつの間にか消したのかもしれません。このときはブログをやろうと思っていなかったし。

 案内された部屋は8畳だか12畳だかの広さでした

 で、誰もいない。誰もいないから、どうすればいいのか分からない後から誰か来た時のために、自分の布団は先に敷いた方が良いのかな? それとも夕食後にみんなで一斉に敷くのかな? そう思って受付に聞きに行きました。

私「あのー、私、(富士山以外の)山小屋初めてなんですけれど・・・」

山「え!?・・・・・・(顔に「まじ? お前何しに来たの?」って書いてある)」

私「布団って、すぐ敷いた方が良いんですかねぇ」

山「今日はお一人ですよ」

 予想外の個室! 一の越山荘最高! お兄さんの塩対応も、むしろ正直で誠実に思える! そして空いてても端っこからギュウギュウに寝床を詰めていく富ゴニョゴニョとは違う。

 また受付でお兄さんに質問しに行きます。なぜなら私は初心者だから。何も知らないピヨピヨだから。 

私「タバコを吸っていい場所はどこですか?」

山「洗面所のところに灰皿があるので、そこで」

私「外は?」

山「どこでもどうぞ(顔に「なんでそんなことまで聞くんだコイツ馬鹿か?」って書いてある)」

 僕の後からも質問に来た老夫婦の奥様。

奥「ご来光を雄山の山頂で見たいんですけれど、何時ですか」

山「〇〇時ですけれど、わざわざ時間合わせる人は少ないですよ」

奥「えー? 少ないんですか?」

山「あんまりいませんねぇ(顔に「どこで見たって一緒だよ」と書いてある)」

一の越山荘のお兄さん、結構ドライです。

17:30 室堂方面。どんどん暗くなる中、雄山からはどんどん人が降りてきます。とは言え、富士山のパレードのような人の多さではありません。地獄谷のところ、煙なのか雲なのか、モクモクです。

 

同時刻 浄土山方面。誰も登ってないし、下りても来ません。

18:00 夕食の時間まで、ずっと山小屋のサンダルで外をうろついていました。

 山小屋からもたくさんの登山者が景色を見ています。僕は景色と、山小屋でくつろぐ服装を観察していました。そろそろ日が暮れます。日の入りは山の影になって見えませんが、空の色が紫になります。雲海と空色が綺麗です。一部、ボコッと雲が噴き出ている場所が不思議でした。地獄谷かな?

 

18:07 夕食の時間です。僕以外には仲間と来ていたようで、周りには誰も座りませんでした。

 夕食後、星空を撮影しようと外に出ると、さっきのドライなお兄さんとは別のお兄さんが「今日は星、あんまり見れないでしょう」と親しげに話しかけてくれました。ただし決してウェットではないので安心。

 

20:20 確かに薄い雲ありますが、それでもこの驚きの輝き。

本物のきらめきにときめく幸せ。

20:48 うす曇りになりましたが、雲海はなくなり富山市街地が見えます。その向こうは海? するとポツっと光る明かりは船? 富山だからホタルイカの漁船?

この日は山小屋のお兄さん曰く「あと1~2時間はおぼろ月じゃないかな」ということで、起きていたらまた外に出ようと思いましたが、当然ながら爆睡してグッスリ。朝、目覚めると窓の向こうで星空が輝いていました。

 

 立山:第2登 ―前編― 終わり 

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