第2登【立山ー後編】SEASON-O:無音を聞き、透明を見る


初登山の富士山から1カ月。昔から一度は行きたいと思っていた黒部ダムと立山黒部アルペンルートを口実に、2回目の登山として向かった先は立山。

 初日、紅葉シーズンでのシルバーウィーク混雑という洗礼を受けながら、黒部ダムの観光放水を見物し、予定より2時間遅れの14時に室堂到着。そこで見た光景は、どんな写真で見た光景よりも印象深いものであった。一方、「ウォームアップだろ?」と舐めてかかった浄土山には手こずりながら、何とか一の越山荘へ。運よく個室でご満悦のHachimitsuは、2日目の9月23日朝6時、雄山へ登るのであった。

前回の記事

 


2日目 9月23日水曜日

一の越山荘から雄山

朝4時30分。目を覚ますと、部屋の窓からありえない星空が広がっていました。急いで支度をして、出発の準備を整え、チェックアウトします。

新たに購入した中華製三脚(メーカー発表耐荷重4kg)は、縦位置に構えるとグネりまくり。「耐荷重4kgと言ってもがんばってギリギリ4kgで、縦位置は無理だろうな」という予想に見事、応えてくれました。

 オリオン座を何枚も撮影しましたが、ちゃんと写ったのはこの1枚。フィルムだったらえらいことだ。

 

5:36 ちんたらと撮影していたら明るくなってきました。急いで登ります。

 

5:49 とはいえ、急いでも歩くスピードは変わりません。夫婦登山者にぶち抜かれます。

 

6:12 完全に太陽は登りました。

 富士山での景色とは違います。見たことのない景色が広がります。興味が出る前はただの山。でも今、山の名前は分からなくても、そこでしか見ることのできない風景に思いを馳せることができます。ちなみに真正面奥の山が薬師岳だと分かったのは、これから1年後のこと。

 

遠くに富士山が見えました。たくさんの山が近くに見える北アルプスから、富士山だけは僕にも分かる。登ったことがなくても分かるだろうけれど、一度登ったからこそ感じる、富士山を見つけたときの嬉しさがありました。

 

こっちは白山。日本三霊山とは富士山、雄山、そして白山。このシルエットを見ながら、「来年(2016シーズン)は行きたいぞ!」と思いましたが、脳内登山だけでした(結局行けていない)。

 

6:17 雄山登頂前を行く人が真っ先にコレを撮影したので、私も真似してコレ。

雄山からはさすがに至高の景色です。一の越山荘からの道は、どっしりとした歯ごたえがあり、それでいてまったり(急だけれど別に難しくはなかった)。

 

先を見ると、宮司さんが登山者に祈祷しています。風が吹いています。

 

社務所で御朱印を預け、登拝券(お札)を購入。頂上参拝します。

 

   

社務所。登山者は少なく、天気が良い。

 

10分ほど祈祷の順番を待っていました。僕以外誰も来ません。マンツーマン祈祷です。

宮司さんは頂上で祈祷をしてお神酒をくれ、さらに見える景色を一つ一つ教えてくれました。マンツーマンで。

穂高、槍、白山、御嶽山、八ヶ岳、今日は久しぶりに富士山まで見えると教えてくれます。マンツーマンで。

イワヒバリが飛んできます。3000mのここまで飛んでくるのも珍しいと教えてくれました。マンツーマンで。

祠の周りの石は丸いです。みんなが願掛けとして下界から持ってくると教えてくれました。マンツーマンで。

下でザワザワし始めました。私が心配になるまでいろいろ教えてくれました。マンツーマンで。

ここでの豆知識ネタは尽きないようです。さすが宮司さん。サービス満点のマンツーマンをありがとう。

 

 参拝を終え、御朱印をもらいました。隣に富士山頂浅間大社奥宮の御朱印があることで、雄山神社も達筆っぷりに拍車がかかったかどうかは知りませんが、かっこいい筆使いです。

 「御朱印はありがたく受け取るもの。スタンプラリーじゃないからかっこいいとか関係ない」とかいう声は聞き流すスタイル。素直に字がかっこいいと嬉しい。 

 

登拝のお札

登拝をすると鈴付きのお札がもらえます。立山にいると、ザックにこのお札を誇らしげに付けた人が大勢いたので羨ましかったのですが、ここでやっと登山者になれたような気がしました。鈴は熊よけなのでしょうか。

裏面には富士山に登ってからずっと、脳内で絶叫状態だった理由が書いてあるように感じました。

無音を聞く感覚。それは心耳に聞こえた神の声だったのかもしれない。

透明の空気を見る感覚。それは心眼に見た神の光だったのかもしれない。

登山が好きなことを自覚し、その気持ちに正直になることを私は固く心に誓いました。

  社務所では御朱印やお守りのほか、ココアやカップラーメンもあります。ここで感動の記念に手ぬぐいと山バッチを買い、ココアを飲みながら夫婦登山の一組とお話をしました。ご夫婦は御朱印帖は持参せず、和紙に書いてもらったそうです。で、先月は白馬にお二人で行かれたときは雷鳥を見たと。ご夫婦で同じ趣味とは羨ましい。

 

7:14 そんなこんなで雄山は1時間もまったりした味わいを楽しみました。次を急がねばなりません。ここからは、ガイド本いわく、「人が少ない」というルートです。

 

大汝山、富士ノ折立と真砂岳

どこを歩いて良いのか分からない道を初めて通りました。違う方向に行きそうで不安でした。後ろから別の登山者が来たので先を譲って、後ろからついていくことにしました。

 

7:40 大汝山。先を譲った人は大汝山を華麗にスルー。どうやって登れば良いのかわかりませんでしたが、ちょうど大汝山から下りてきた人がいたので、その逆ルートをザックを置いてよじ登りました。人が一人立ったらもう立てない感じです。一眼レフでの自撮りはとても怖かった記憶があります。

 

大汝山を下りて振り返ると、別の人がザックを置いて登っていました。ザックを置く場所もルートも、大体同じだったので、間違ったことはしていなかったのだと思います。

次は富士ノ折立に向かいます。

黒部湖が見えます。雪渓も見えます。途中、山小屋のようなところで一服しました。その山小屋は、松山ケンイチの「春を背負って」という映画の舞台だったそうです。ポスターがやたらと貼ってありました。

 

進行方向には剱岳が見えますが、鑑賞している余裕はありませんでした。正直言って自分が歩くルートを確認するので精一杯。

 

8:27 富士ノ折立。コースタイムでは35分。しかし私は1時間かかっています。のんびりした記憶はあんまりないんだけれどな。

8:34 頂上は結構人がいました。一番高いところに座りました。

私は今、神庭に佇んでいる。

 ここに先客がいて、写真を撮ったりしながらずっと空くのを待っていました。同じように待っている人がいて、お互いに写真を撮り合いながら待ちました。

奥に左から大汝山雄山が見えます。大汝山の前には山小屋も見えます。

 

9:09 富士ノ折立から降りて尾根に出ました。これは爽快! 右に内蔵助カール。氷河だそうです。

振り返るって富士ノ折立。かなり急な下り坂でした。ツアー客が後ろから大勢接近してきたので、逃げるように下りました。

これが内蔵助カールの氷河

左を見れば室堂。

9:29 いちいち感動しながら、写真を撮りながら歩きます。ストイックでハイペースなツアーの団体に、ここら辺で抜かれます。

 赤の他人をモデルに縦走のイメージカット。

ここら辺、真砂岳だったと思います。よくわかっていません。ここで一の越山荘で朝食の代わりに頼んだお弁当を食べました。風が結構強く、人も大勢になってきて、慌ただしかった思い出です。

 

別山で見る剱岳

 朝食のお弁当を食べ、景色を見ながらウロウロしているとき、単独のお兄さんに話しかけられました。

「真砂岳の頂上はここですかね」

 よくわからずに歩いている私には分かりません。雄山、大汝山、富士ノ折立のようなここがピークです!って部分がないと、初心者にはわかりずらい。

「ここら辺じゃないっすかねぇ」としか言えなかったのですが、お兄さんはGPSの腕時計を操作して、「多分ここだと思うんだけれど」って言ってます。精度は数mらしいです。私の車についてたカーナビより良いじゃん。

 

まだまだ稜線歩きは続きますが、ずっと気持ち良い感じ。

本当にいちいち立ち止まっては写真を撮り、写真を撮っては深呼吸をしたり。なかなか前に進みません。

 途中で熱くなって、ウィンドブレーカー代わりのレインウェアを脱ぎました。脱いだものを畳んで袋に入れて、ザックにしまうのが面倒。「ウェアで体温調節しましょう」的な話をよく聞くけれど、みんなこんな面倒なことを軽々とやっているのでしょうか? 慣れれば、手間も時間もかからなくなるのでしょうか?

 

11:01 別山に向かう登り。写真のメタデータでこの時間なので間違いないと思いますが、真砂岳から地図で900m、コースタイム45分なのに、1時間半かかってる。遅い。ずっと上の稜線を見ると・・・・・・。

望遠で撮ると、富士ノ折立を降りたところでぶち抜かれたツアーご一行。俺、ツアーじゃなくて良かった。単独だからゆっくり、いちいち感動しながら歩けるんだもん。

 別山への登り口のところに別山をショートカットできる巻き道があります。その分岐のところでおじさん(推定60代半ば)が休んでいて話しかけられました。私がレインウェアをマゴマゴと脱いだり閉まっている間に抜いていったおじさん。1枚前の写真の紫のウェアのおじさん。

おじさん「これまっすぐ行くと巻き道だよね」

私「そうらしいですね。別山へは行かれないんですか」

おじさん「行くよ。そのために来たんだもん。登る前の休憩してるんだ」

私「結構急ですもんね。俺、がんばろう。おじさんも気を付けてね」

何とはない会話が、山登りに来たことを実感させてくれます。

 

こういう景色を写真に撮った後、肉眼に焼き付けながら歩いています。1コマずつ。

20分ほど急な坂を登りつめると石垣にぶち当たります。疲れて足元しか見ていませんでした。回り込むと祠がありました。

で、顔を上げて周りを見ると・・・・・・。

11:20 別山南峰。2874m

これは凄い剱岳! 昨日の浄土山でも、今日の雄山からも、大汝山からも富士ノ折立からも、チョロチョロと剱岳の山頂は見えていました。毎回「あぁ、剱岳。知ってますよ。有名ですもんね」って思っていました。

しかし別山からの剱岳は凄い! 大迫力! お弁当を真砂岳で食べてしまったことが悔やまれます。

別山には北峰2880mがあります。ここからコースタイム10分。ザックを置いて、カメラだけ持っていきます。気分だけはほぼスキップ状態で。

10分後、北峰に到着。まぁ大して南峰と変わらないけれど、別山の先ッチョまで来た充実感。

ここでフレッシュなイケメン&カワイイ系カップルと写真を撮り合い、南峰へ戻りました。

南峰に戻ったころ、さっきのおじさんが登ってきました。

私「がんばった甲斐がありました! すごい! 剱岳がすごいです!」

おじさん「良かったねぇ。僕も北峰まで行ってくるよ」

私「いってらっしゃーい!」

そうとうテンションが上がっていたと思います。

南峰でもイケメン&カワイイ系カップルと写真を撮り合い、それからしばらく、じーっと剱岳を見ていました。

 

12:08 ほぼ30分くらい滞在し、そろそろ次を目指します。目的地は別山乗越(べっさんのっこし)の剱御前小屋。出発する頃におじさんが北峰から帰ってきて、そのまましばらく一緒に歩き始めました。

 おじさんといろいろ話ながら歩きました。どこから来たのか。なんの仕事をしているのか。他にどんな山に登ったのか。今回はどんな予定なのか。などなど。

おじさんは膝が痛いそうで、私はおじさんと別れて先に行くことにしました。

また稜線歩きが続きます。途中、小さな子供をつれた3人家族が、剱岳を見ながらココアをバーナーで沸かして飲んでいました。私はバーナーが欲しくなりました。

 

剱御前小屋まで来ました。視界良好!

 

12:39 剱御前小屋到着。剱岳に感動したあまり、山小屋で剱岳Tシャツを買いました。

帰宅後に思ったのですが、私は剱岳には登っていないし、登れるスキルもない! このTシャツ着て、「剱岳、登ったんっすか? いいっすねぇ」なんて言われたらヤバい。Tシャツは今、タンスの中で出番を待っています。

別山乗越からみくりが池温泉

13:08 十分にダラダラして剱御前小屋を出発しようとすると、進行方向は雲だらけ。

ハイマツの生い茂る道をひたすら下ります。

13:55 1時間近く経ち、だいぶ下りた気分になっていますが、まだまだ先は長い。でも富士山吉田ルート下りとは違い、景色を楽しむ余裕があります。靴も新品なので、ちょっとしか靴擦れしていません。膝は相変わらず痛い。

 紅葉というと、赤、黄、茶色をイメージしていましたが、ここにたくさん生えているハイマツは緑のまま。むしろ赤色が映えて綺麗です。

 真砂岳あたりは雲で真っ白っぽいです。

14:07 空は雲に隠れていますが、紅葉の赤が良い。後ろから雲はせまっています。

 ここらへんで、さっき剱岳を見ながらココアを飲んでいた家族3人に抜かれました。あっという間に先の方で点になっている。子どもが先頭、次いでお母さん。殿のお父さんのザックはでっかくて格好良かった。奥さんと子供の荷物、全部入ってるんだろうなぁ。格好良さはデザインじゃなく、家族分を背負ったスタイルだと思います。

 

14:30 下り終了。沢があり、橋が架かっています。

 

河原(って言って良いのか?)から、今日歩いてきた稜線が全部みえます。

14:50 沢を渡って登ると広いキャンプ場。ベンチがあります。相当疲れたのと、景色を目に焼き付けたくてmここで相当休みました。いつか私もテントとシュラフを背負って来たい。

雄山は雲でで見えませんが、昨日泊まった一の越山荘が見えます。今日歩いた稜線をぐるーっと見る満足感。

 今日泊まるみくりが池温泉は、ここからコースタイムで1時間もかからない。とは言え、これまでのペースを考えるとコースタイムでは無理そう。そもそも15時から16時に到着予定と伝えてあるので、間に合わない可能性が高い。こんな山の中で携帯通じるのかと思ったら、しっかり電話できました。

私「今日、16時頃到着予定のHachimitsuですけれど・・・」

み「今どこですか? 何かありました? 」

私「いえ大丈夫です。今、別山乗越から下りてきたところで雷鳥沢なんですが・・・」

み「予定通り来れそうですね」

私「あーいや、これから30分くらい休みたいので、多分時間通りは無理っす」

み「あー、しっかり休憩してきてください。そこから階段、〇〇段ありますから」

何段あるって聞いたのか忘れてしまいましたが、脅されました。でも遅れても良いみたい。

休憩を終えようとした頃、別山であったおじさんが下りてきて、休まず行くというので、また一緒に歩きました。

15:22 地獄谷、本当に地獄のようです。写真だと色がありますが、記憶では灰色の世界だった。

 一緒に歩いていたおじさん、膝がかなり辛いらしい。お互いに元気を出そうと、また色々話をしました。その話の中で、おじさんは「扇沢経由で今日中に家に帰る予定。でももうバスの最終には間に合わない。あきらめた。それで富山方面に下るバスに間に合わせる」って休みなく歩いているとのことでした。

 今まで、私はすべて予定通りに家に帰って当たり前だと思っていました。山だとそうはいかないらしく、おじさんはそれも折り込み済み。山登りは普段以上に行動予定に余裕を持ち、しっかり計画しようと思いました

 階段、本当に地味につらい。ジャブで削られる感覚。寝技で消耗していく感覚。雷鳥沢ヒュッテ、雷鳥荘と超えていきます。

 ところで、日本一高所の温泉というみくりが池温泉。最初は「室堂より遠い雷鳥荘や雷鳥沢ヒュッテの方が高所なんじゃないか?」と思っていました。しかしココを歩いて分かりました。室堂より遠い雷鳥荘は下にあるんだと。

登山終盤にきて最後の登りです。

15:48 もうすぐ本日のゴール。室堂からの観光の人も増えてきました。

ここら辺、展望が良い場所ということですが、私は今までもっと良い景色をずーっと見てきました。

素敵な工事の看板。ここら辺は、地獄谷のガスがヤバくなった時用に、口を押える手ぬぐいを濡らすための水道がありました。マジヤバい場所なんだ。

15:54  みくりが池温泉に到着。

ここでおじさんとお別れしました。

私「一緒に歩いてくれてありがとうございました。楽しかったです。帰り道に気を付けてね」

おじさん「どこかの山でまた会いましょうね」

 「また山で会おう」ってカッコイイなぁ。おじさんの名前は忘れてしまいましたが、初めて山で見知らぬ人とたくさん話をした人として、私の記憶に刻まれます。そして今、山で知り合った人には「またどこかの山で会いましょう」と言っています。

おじさんを見送りついでにみくりが池。湖面は凪ではありませんでした。

 みくりが池温泉で「遅れました~、さっき電話したHachimitsuです」というと、受け付けのお姉さんが電話に出た人。「早かったですねぇ。階段、どうでした?」と。フレンドリーです。

 チェックインして、まず温泉。今まで入った温泉の中で、一番体の芯まで染みたなぁ。私は露天風呂が好きで、「露天風呂ならバスクリンでもOK」という考え。しかし、みくりが池温泉は内風呂しかない。それでも今まで一番、体に染み渡った温泉だったなぁ。これが登山をやった後のご褒美なんでしょう。

 部屋は2段ベッドで縦に寝るタイプ。寝ている人がいて、写真は撮っていません。

写真●みくりが池温泉サイトより

みくりが池温泉サイト

 富士山のときのように、寝返りすると隣の人とチューしそうなことはありません。隣の人は足元で、間に若干荷物を置くスペースがあります。が、私は背が高くはみ出します。申し訳ございません。

 夕食は豪華でした。鍋にカニが入っていました。写真撮り忘れているので、これも公式サイトを引用。

写真●みくりが池温泉サイトより

写真●みくりが池温泉サイトより

席に着くと、まわりは登山だけでなく観光の人も大勢いました。

右隣は外国人のカップル。ハネムーンでしょうか? 左隣は女の子一人。向かいは山登りのおじさん。

 右隣の外国人カップルの鍋に、山小屋のお兄さんが鍋に火をつけようとマッチを擦ります。何本も折って火がつきません。見かねてやってあげました。

マッチ使えない世代到来か」と思い、また山小屋のお兄さんでは埒が明かないので、自分の鍋には自分で火をつけ、そのままマッチを他の人に回しました。向かいのおじさんはもちろん問題なし。左隣の女の子、「すみません。マッチってどう使うんですか?」。さっきのお兄さんのときの反応とは打って変わります。「僕がやりますよ。最近はマッチを使うことないですからねぇ」。女の子には優しいのです。

 食事時、お酒が欲しくなります。生ビール&生ビール。メニューで小瓶の日本酒もあったので、3杯目をメニューを指して、さっきのお兄さんに頼みました・・・。

なぜ750ml瓶を持ってくる!?

 素でリアクション。向かいのおじさんも隣の女の子が笑っています。

 富山ということで、単品で白海老のから揚げも頼みます。もう山の目的は達したので何でもアリ。向かいのおじさん「それ、おいしそうだなぁ」と言って、私と同じくお酒と白海老を頼みます。まわりは夕食を済ませて退席する中、結局食堂が閉まるまで飲んでました。おじさんと、女の子と。

 食堂は閉まったけれど、談話室は空いてます。3人で移動してお酒抜きで話の続き。おじさんはこの日の夕方に室堂に到着して、明日はどこの山に登ろうか考えているところ。女の子は雑誌だかなんだかを見て、立山に行きたい&北陸新幹線に乗りたいとやって来たとのこと。おじさんと女の子は地元が一緒でした。

 3人でガヤガヤと話しているうち、もう一人おじさんが(奥さんをほったらかして)仲間に加わり、楽しい時間を過ごせました。登山2回目でこんなに見知らぬ人と触れ合えるとは。今まで何度も一人旅をしてきたけれど、旅先の出会いなんてまず無かった。これも登山の魅力なんだと思いました。

 この日の夜は完全に曇って星は見えませんでした。寝る前に本日3回目の風呂に入りました。出てくると、女湯から顔面パックの人。「あ、見られちゃった」って、一緒にお話しをしてた女の子。独身だったら恋してそう。

 


3日目 9月24日

雨予報。どこに行こう

朝は5時過ぎに目が覚めます。

5:40 外に出ると空が明るくなり始めていました。朝食は6時から。

昨日の夕食時に向かいに座ったおじさんが一人で朝食を取っていて、私も同席します。

 今日の予定、私は「どうしようかな~」と言っていると、おじさんは「僕は剱御前小屋に行って剱岳を見てこようかな。余裕があれば別山まで行きたいけれど、天気予報は雨だし・・・

 さっき、天気良かったのに雨予報。一昨日、昨日で満足しちゃっているし、雨なら弥陀ヶ原はやめようかな。そんな会話をしていると、女の子もやってきて一緒に朝食を食べました。二人は今日もみくりが池温泉宿泊だそうで、私はここでみんなとお別れです。

 朝食後、外に出てみると雲っています。でもまだ雨は降っていない。

 急にバタバタと音がすると思ったら、ヘリコプターが物資を運んでいました。こういうの、テンションがあがる。何往復もするヘリコプターを30分ばかり見ていました。

 宿に戻って、コーヒーを飲みながら今日の予定を考える。結局弥陀ヶ原をやめて午前中に室堂を散策したら帰ることにしました。

室堂小屋と玉殿岩屋(たまどのいわや)が目的です。

 

みくりが池は完全に凪。浄土山と雄山が湖面に映り込みます。曇りなのが残念。

9:19 チラチラと雨が降り始めました。でもまだ、たいしたことはない。

昨日歩いた稜線。ただ見るだけじゃなく、昨日歩いた! って思えるのがうれしい。

9:54 室堂小屋。日本最古の山小屋だそうです。博物館みたいになっていて、中に入って見学できます。

ここから玉殿岩屋への道はすぐ。ちょっと下ります。「本当にここでいいのかな?」と不安になったころ・・・

2つくらい洞穴があって、中に石像などが祀られていました。

 雨も降っていたので人は少ない。先客はおばあさんでした。ずっとお参りに来たかったそうです。道が悪いので、帰りも気を付けて欲しい。

雨がポツポツ。湖面を見てもわかるレベル。もう立山とお別れする時間かもしれない。

11:08 室堂ターミナル。お土産屋にも入ります。娘に雷鳥のぬいぐるみを買いました。あとは全部お菓子! 食い物がいいんだろ? どうせ。

12時発のバスで美女平まで。美女木に並ぶ良い地名。ワクワクさせる。

このバスで美女平まで。弥陀ヶ原は歩けば良かった。なぜへこたれたんだろう。写真は撮っていません。なぜ撮らなかったんだろう。

 途中、木の隙間から称名滝が見えます。そこではバスの前列から後列のお客さんまで、ちゃんと見えるように徐行してくれます。ただ残念なことに、私が座った席が左側。反対側だぁ。

 日本三名爆と言えば、華厳の滝(栃木県:落差93m)、那智の滝(和歌山県:落差133m)、袋田の滝(茨城県:落差120m)と言われています。しかし称名滝もすごい! 4段の滝の落差は350m。東京タワーよりも高い! こいつをわざわざ見に行くのもいい。大日岳登山をからめながら。そんな思いをしました。 

 

 

美女平からケーブルカーで立山駅まで。人生2度目のケーブルカー。1度目は一昨日の黒部湖―黒部平。

 

富山地方鉄道立山駅に到着。これで立山黒部アルペンルートは終了。

バス、ケーブルカーと満員だったお客さん。その大勢がここで降りて・・・どこへ行く?

 どうもここに温泉があったようです。痛恨の下調べ不足!

 のんびりと富山駅まで。立山連峰を望むカントリーな車窓が素敵でした。が、カメラはもうすでにザックにしまった後。これで写真は終わり。富山から北陸新幹線に乗って、東京まで帰りました。

 


立山三山縦走を終えて

携帯の万歩計アプリの数値。初日と最終日は自宅を含めた歩数

  • 9月22日:1万1891歩:歩行距離9.8km
  • 9月23日:1万7221歩:歩行距離14.2km
  • 9月24日: 9768歩:歩行距離8.1km

反省と改善

1.行動計画があまい

余裕のある行動計画と、適当な行動計画が別物であることを肝に銘じます。

 3日目は完全に棒に振りました。もったいない。別山から一緒だったおじさんは帰りの長野方面のバスに間に合わなくなってしまいました。でも間に合わなかった場合の予定も頭に入っていて、すぐに立山方面のバスに切り替えられています。

 もし私が2日で帰る予定を立て、おじさんのように間に合わなかった場合、パニックになっていたでしょう。無理した行動をするかもしれません。実際、泊まる予定だったのですが、この3日目を単なる予備日にしてはいけない。予備日になった場合の行動も想定しておくことで、もっと充実した山行ができます。

2.地図の読み方

浄土山を完全に舐めてました。

 理由は地図で得た情報がコースタイムだけだったから。室堂から一の越山荘まで1時間のコースに対し、浄土山経由は約1.8倍の1時間50分。これを1時間もない回り道としか理解していませんでした。地図には等高線があるので、これを見て3Dでイメージできるようになりたいと思います。

今回の山旅の収穫

 もしも立山黒部アルペンルートに山を知らない状態で行っていたら。がんばっても室堂で一泊するだけ。おそらくトロリーバスとケーブルカー、ロープウェーを乗り継ぐことで満足し、「黒部ダム! 見た! 次!」「室堂! キレイ! 次!」と、ヘタをすれば日帰りだったかもしれません。

 山をメインに行った立山は、多くの良い思い出ができました。紅葉。絶景の稜線歩き。雄山神社の御朱印。念願の黒部ダム。

しかし最も良かったと思えることは、出会いだと感じました。

 別山から一緒だったおじさん、みくりが池温泉でお話をしたおじさんと女の子。それ以外にも黒部ダムで1日前の様子を教えてくれたお兄さん、雄山神社で出会ったご夫妻、富士ノ折立や別山で写真を撮り合ったカップルやお兄さん・・・。一人だったからこそ、そのときの出会い、話した内容、過ごした時間がより印象的でした。

 ただ、自分でも注意したいこともあります。帰りの美女平までのバスで2列前に座ってたおじさん。ずっと隣に座ってたお姉さん(キレイ)に、今までの山の話をしていました。ナンパか!? ケーブルカーへの乗り換えのとき、お姉さんは逃げるようにダッシュ。ああいう感じにはなりたくない。

 

 もう完全に山のとりこです。しかし時期は9月末。ガイド本には「10月からは高山では雪が降り始めることがあります」と書いてあり、10月からは初心者お断りシーズン到来と理解しました。次回は春になるまで待たないといけません。その間の10月から翌年3月の半年間、モンモンとした日々を過ごします。

 山岳小説を読みまくり、登山漫画を大人買いし、テレビでは山番組を録画し、毎週のように登山用品店に行ってしまいます。新たにジャケットを買い、パンツも買い、また靴も買い、細々としたアイテムも購入。「俺は山が好きなんじゃなく、山道具が好きなんじゃないか?」と錯覚した4月半ば、丹沢に向かいました。いよいよ登山趣味として迎えたSEASON-1が始まります。

SEASON-O 終わり


立山登山の必需品

地図

山と高原地図 剱・立山 2017 (登山地図 | マップル)

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