第3登【塔ノ岳】SEASON-1:浮かれ気分を玉砕する表尾根


2016年4月16日。待ちに待った春。登山シーズンが始まりました。半年間、山のことばかり考えて悶々としていた気持ちをぶつける相手は、東京から近い丹沢の塔ノ岳

もう、最初に言います。完全にやられました

初心者お断りシーズンの半年。山岳小説を読み、山岳映像を見て、これから行きたい山への脳内登山で山のことばかり考えていました。そして登山用品店に通い、新たにウェアや道具を買い、さらにこれから買いたい物への妄想を膨らませていました。

もう、山が好きなのか道具が好きなのか分からないほど浮かれ気分で登山シーズンに突入。

初っ端から思い知らされました。登り始めた直後、すでに足が上がらない。カメラ用のウェストポーチが邪魔でしょうがない。今回は登り口と山頂しか写真はありません

この浮かれ気分の私に喝を入れてくれた登山でした。

 


山旅のしおり

日程:2016年4月16日土曜日 (日帰り)

同行者:なし

塔ノ岳について

標高1,491m。神奈川県にある山です。新幹線からもよく見えます。

登山道

丹沢には多くの登山道があります。通称バカ尾根と呼ばれる大蔵尾根のピストンや、丹沢山から主脈を経る道など。

今回私は、丹沢の良さが満喫できると評判の表尾根で登ろうと思いました。ヤビツ峠から塔ノ岳まで、コースタイムで4時間5分。下りは大倉尾根(2時間20分)です。

アクセス

往路

→(JR)-(相鉄線)―(小田急)― 秦野駅 7:35―(秦21ヤビツ峠行)―8:30ヤビツ峠

復路

大倉バス停 ―(渋02渋沢駅北口行)― 渋沢駅 ―(小田急)― 小田原 ―(新幹線)―品川―(JR)→

ヤビツ峠への最寄り駅は秦野駅。ロマンスカーに乗ろうと思いましたが、秦野から一番早い出発のバスに間に合わなくなります。秦野駅からヤビツ峠行のバスは、土日だと7時35分から出ています。これを逃すと8時18分までありません。平日は8時18分からのバスしかありません。

大倉尾根を下るとバス停があります。ここから1時間に2~3本のバスが来ています。行先は渋沢駅。ロマンスカーの止まらない駅です。快速急行か急行で新宿まで行っても良いのですが、この時は疲労困憊で、小田原へ向かい、そこから新幹線に乗って帰ってきました。

持ち物(NEW ITEM)

ジャケット(ARC’TERYX Alpha FL)、パンツ(ARC’TERYX Gamma LT Pant)、Tシャツ(みくりが池温泉で買ったやつ)、靴(La Sportiva TRANGO S EVO)、靴下(ダーンタフ 中厚)バーナー(イワタニPRIMUS P-153、ノーマルガスIP-250G)、クッカー(ライテックトレックケトル&パン)、and more…

 半年の間に随分と道具を買いました。特に!「そんなに高いの!?」と鼻血が出る思いで買ったのでウキウキです。あと「頂上でラーメンつくって食べたい。コーヒーも飲みたい」とバーナーを買いました。クッカーの中にバーナーもガスも入るので便利です。ただ袋ラーメンはクッカーに入らないので棒ラーメン。海苔巻きを作るときに使う巻き簾を100均で買い、箸といっしょに包めば折れないし場所も選ばない。これ便利!

 その他にも、以前は「買い物したときにくれるビニール巾着でいいじゃん」と思っていたスタッフサックはドライや大きさなどバリエーションをそろえて購入。「ペットボトルで良いじゃん」と思っていた水筒もナルゲンの1.0Lをボトルケースと共に購入。

完全なる浮かれモードでヤビツ峠に向かいました。

 


塔ノ岳登山

ウキウキ登山口まで

 遠足を心待ちにした子どもと同じ心境です。もちろん、おやつは購入済み。子どもの頃の遠足との違いは、ヨーグレットではなくSOY JOYを味違いで3本。カルピスではなく粉ポカリと2Lペットの水。そしてお弁当代わりにマルタイ棒ラーメン。その他、朝飯のパンをザックに入れ、準備万端就寝。もちろん眠れません。

朝4時半に起床。もちろん家族はまだぐっすり。すぐに出発します。

JRに乗ると、浮かれ気分の登山者は私だけ。これから出勤の人。オールで遊んでいた人だけ。気まずい。

横浜で相鉄線に乗り換えると、登山者が急に増えます。心強い。

海老名で小田急線に乗り換えると、車内は登山者だらけ。

登山者ってたくさんいるんですね。

7:13 秦野駅すでにヤビツ峠へ行くバスの行列ができています。迷いようがありません。カメラを入れているウェストポーチは、満員のバスだと邪魔なので、まだ出しません。しかしこんなに登山者が並んでいるとは思わず、驚きのあまり携帯で撮影していました。

7時35分のバスに乗り遅れたら、次は8時18分。乗り遅れたらまずい!と思っていましたが、ヤビツ峠行のバスは何台も出ていました。順番的に、「このまま案内されたら1時間立ちっぱなしじゃねぇか!」とヒヤヒヤでしましたが、タイミングよく次のバスが到着し座ることができました。

 

8:33 ヤビツ峠に到着です。

やっとカメラポーチをザックから出しました。登山届をバス停にあるポストに投函し、朝飯のパンを食べながら粉ポカリを仕込みます。

まだ、到着すぐ出発!という流れが分かりません。そもそもどっちに向かえば良いのかも分かっていません。もたもたと用意をしながら、他の登山者を観察しすぎました。私が出発する頃には他に数名しかいません。満員の登山者がバス数台分いたはずなのに。遅れないよう、先行の集団の後に付いて行きます。

 

8:45 しばらく舗装された道路を歩きます。私は一人なので、お話しながら歩いている二人組よりも早い。舗装路だけは。

すぐ抜きそうになるので、スピードを調整しながら歩きます。だって抜いちゃったら、どこへ行けば良いのかわからないし。

 

8:54 綺麗な舗装された道から山へ入って行きます。ここの分岐で、結構な人が本格的な登山の準備なのか、靴ひもを締めたりしていました。ここに誰もいない状況で私一人だけがいたとしたら、迷っていたかもしれません。地図を見ると水場と書いてあります。どこで水を汲むのかは、確認をしていないのでわかりませんでした。

私はバス停で準備バッチリ&新たな先行者出現でノンストップ。

8:55 とうとう登山口っぽいところに来ました。ザックからポールを出して、よし!行くぞ!まだこの時まではウキウキ気分でした。

登山開始

何分くらい経った頃でしょうか。体が温まり過ぎて暑い。ジャケットを脱いでザックにしまいます。そして去年の富士山、そして立山ではなかった違和感、しんどさを感じます。

足が上がらない。そもそもでっかいウェストポーチが邪魔。写真なんか、撮ってらんねぇ!

今日の目的の優先順位を考えました。

  1. 半年ぶりの登山を楽しむ
  2. 登山の写真を撮る。
  3. あわよくば丹沢山まで。

一瞬で優先順位2位以下を放棄。カメラはウェストポーチにしまい、そのままザックの中へ押し込みます。

ここからは断片的な記憶を掘り起こします。

記憶の中の表尾根

 カメラをザックにしまうと、体の負担は、か!な!り!減りました。さすが登山用ザック。途中、「もうカメラ出してもいけるんじゃね?」と頭をよぎりますが、これで登山が楽しめなくなったら本末転倒。今回はこれからの戒めとして、山行は記憶に刻むこととしました。

 どこからだったか、森の中を抜け出し、稜線を歩くころにはだいぶ気分が良くなっていました。ただ、曇りで展望はまったく無かったため、「これぞ表尾根の真骨頂!」という感激はありません。

 他の登山者は周りに大勢いました。富士山ほどではないにせよ、ずっと行列だった気がします。抜きつ抜かれつの集団が一組。おそらく大学生6人ほどの男女(男女比がしっかりと3:3)。ずーっとしりとりをしていました。途中、抜いてもらうために道を逸れたとき、最後尾の人に話しかけられたので、その会話の中で「“る”ばっかりで攻められてましたね。何かありました?」と話すと「無いんすよー。なんかありますか?」と言われたので、自信をもって「ルー大柴」と言うと、「人名ダメなんすよー」。そんな会話をしました。

 どこだったか、鎖で下るところがありました。鎖を使うとき、ポールをどうすれば良いのか分からない。ただ順番待ちだったので前の人を見ると、みんなポールはザックのサイドポケットに入れている。結構めんどくさいと思いつつ、私もザックのチェストベルト、ヒップベルトを外し、ポールを畳み、ザックのサイドポケットに入れ、またザックを背負い、各種ベルトを締めました。これ、なんかいい方法ないのかな?

 鎖はいよいよ順番になり緊張しました。初めてでしたからね。どのタイミングで行って良いのかも分かりません。ずっと後ろも並んでいるし焦ります。とは言え常識的に、1本の鎖に1人ということにして降りました。

 鎖は特に怖くも難しくも無かったですが、アスレチック的な面白さは感じました。

 しっかりとした休憩は1回くらいだったと思います。それ以外でも順番待ちで立ち止まったりしていたし。

 山頂が近づく頃、空をみるとハングライダーで飛んでいる人がいました。どこから飛んで来たんだろう。この頃、寒くなっていたので、再びジャケットを着ています。でもカメラは出していません。

山頂

14:09 やっと山頂に着き、ザックからカメラを出しました。

とりあえず登った証拠の標柱。

標柱の周りは、登って来たばかりの人で順番待ちをしています。私も撮ってもらいました。

 で、昼飯のマルタイ棒ラーメン。なんでコレの写真を撮らなかったのか。。。「山頂で食べるラーメンは格別」と聞きますが、特に格別でもなく普通でした。それよりも、残ったスープは飲み干すべきなのか、捨てても良いのか、食べている最中に悩んでいました。結局飲んだけれどね。

 さらに、ラーメンを食べ終わったクッカーを使い、どうやってコーヒーを飲むためのお湯を沸かせば良いのかという悩みも発生。結局、水を少し入れ、キッチンペーパーで綺麗にふき取って沸かしました。フライパン代わりの蓋をうまく使えば良かった。

 ラーメンを食べていると、おばさんがやってきて、「猫見ませんでしたか?」と。塔ノ岳には人気者の猫がいるらしいのですが、そのとき私は知らなかったので、なぜこのような質問をされたのか理解に苦しみました。

山頂には山小屋があります。中で温かい食べ物も飲み物もありますが、今回は利用しません。記念にバッチだけ買いました。

下山

14:40 楽しかったひと時は終わりを迎えます。ここから丹沢へ行く場合の所要は往復2時間。私には17時からの下山は暗くなって無理です。あきらめて下山します。帰りは大倉尾根。

15:00 おそらく「金冷シ」という場所? 「金冷シ」とはどういう意味でしょうか。やっぱアレかな。

 ここで今回の写真は終了。やはり下山時もカメラポーチが邪魔。何かつけ方を間違えていたのかもしれません。とにかく邪魔。ザックにしまいます。

記憶の中の大倉尾根下山

 大倉尾根下山で最初の山荘が花立山山荘。その手前でツアーで参加したらしい、恰幅の良いおばさんが道端に座り、ガイドらしい若者が何やら話をしていました。ケガかな?

 花立山山荘で休憩していると、さっきのガイドがさっきのおばさん(恰幅の(以下略))を背負って降りています。すげぇ! 休憩を終えて出発すると、すぐにさっきの(以下略)を背負っていたガイドが電話で何やら話をしていました。やっぱり背負って下山は無理だよな。

 しばらく大倉尾根を下ります。2~30分くらい経った頃かな? ヘリコプターがやってきました。が、遠くてよく見えませんが、きっとさっきのおばちゃんを乗せるんでしょう。ホバリングしてます。

 さらにずーっと下った頃、行く手にお父さんと小さな子どもが歩いています。つい「ぼく、がんばるねぇ」と声をかけました。お父さんと話をすると、5歳だそうです。すごいです。しかも、「ずーっと山に行きたい。山に行きたいって言ってたんですよ。アンパンマンよりヨーキ(田中陽希)の番組(百名山一筆書き)ばっかり見ているんです」だって。私はお子さんに「山に連れてきてもらって良かったね~。でもお父さんはもっと喜んでいると思うよ」と言うと、ちょっと嬉しそうでした。

 小さなリュックに普通の運動靴を履いて念願の山登りに来た男の子。一方、登山用のザック、新たな靴、ウェアもろもろ金の力で揃えたのに、ヘロヘロになっている私。

 やっぱり浮かれすぎていたなぁ。俺。

 何が「登山が好きなのか、登山道具が好きなのか」だよ。今後は道具ではなく、まずは登山をもっと楽しめる体力を身に付けないといけない。そう思いながら下り、ゴールに近づくころは生い茂った木のせいなのか、薄暗くなっていました。

 大倉バス停到着すると、バスは20分から30分に1本出ています。私は列に並びましたが、タクシーの列に並んでいる人もいます。しかしタクシーはそれほど頻繁には来ていないようでした。

 渋沢駅に着くと、足取りは自然と小田原方面のホームへ。座って帰りたい。一刻も早く帰りたい。そんな思いが新幹線へと体を誘います。駅の階段は手すりを使いながら、満身創痍の状態で帰宅。すぐに風呂に入り、夕食を取ったら就寝。洗濯物を出した以外、すべて翌日にまわすほどのやられっぷりでした。

 


塔ノ岳登山を終えて

携帯の万歩計アプリの数値。

3万1235歩

25.9km

反省と改善

体力。それしかありません。

 体力が付くまで登山をしないということではありません。体力がないことを自覚した上で行動し、できる範囲で楽しむ。その点、早々にカメラをザックにしまったことは、ナイス判断。

 ただし、写真撮影がそれ以前の趣味であり、写真があったからこそ行きたい場所があった。それが山だった。今後、登山の楽しさを感じながら、写真も両立するためには、山行を重ねて自分のペースを探りながら体力をつけていくことが必要だと感じています。

 本や映像を見て、知った気になっていました。

 登山用品店をめぐり、身分不相応な道具に目移りしていました。

もう一度肝に銘じなくてはいけない。私はまだ2回しか言ったことのない初心者だということを。

山行での収穫

シーズン1が始まってすぐにヤラレタ感を得たこと。

このまま浮つきながら山へ行っていたら、リスクを増やしていたと思います。

それを最初に感じられたことで、今後、安全且つ楽しく山へ行けるでしょう。

この日を戒めとして。

SEASON-1 :第3登:塔ノ岳 終わり


塔ノ岳登山の必需品

地図

山と高原地図 丹沢 2017 (登山地図 | マップル)

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